第6章 出逢わなければ【分隊長ハンジさん・R18】
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それからは興奮してエルヴィンが止めに入るまで巨人について語りまくったのは言うまでもない。
実験の様子について熱心に聴いてくれたなまえ・みょうじという兵士。
その後も街ですれ違っては喫茶店に入ったり巨人談話に花を咲かせた。
「君は私の話を熱心に聞いてくれていたけど・・・」
それすらも情報を得るためだったのかな、
ハンジは厳しい表情でなまえを見つめる。
なまえは手足を枷に固定され、
足の拘束具には鉄球が取り付けられ手は天井から延びた鎖によって吊り上げられている。
牢の中にはハンジ以外にもエルヴィンが立っていた。
だが、なまえは口を開かず
ただハンジを見つめている。
その瞳は光を宿さない深い漆黒で
気を抜くと吸い込まれてしまいそうだ。
「君はずっと黙りだね。」
やれやれという素振りをしてみせる。
彼女の表情は依然として変わらない。
空き時間を見つけてはなまえに語りかけに来るが彼女は一向に心を開いてくれる様子がなかった。
たとえ殺されたとしてもこの子は口を割らないのではないか。
くそ・・・・・・
ハンジは溜息をつくと
ゴーグルを額へ付け替えなまえの胸ぐらを掴む。
「っ、よく黙っていられるな!?
お前たちの目的はなんだ?
お前たちが壁を破壊してくれたおかげでたくさんの人間が死んだよ・・・・・・。もちろん、先の壁外調査では私のよく知る部下達も君に殺された。
同じ人間同士じゃないのか? なぜこんなことをする・・・! 」
胸ぐらを掴む腕に力が籠る。
しかし眉一つ動かす気配のないなまえにハンジは笑いが零れた。