第1章 ずっとそばに【団長ハンジさん・R15】
いくら巨人狂の変人やマッドサイエンティストと言われていたとしてもこの人だって一人の人間だ。
どうしようもなく悲しいことも、怒りに我を忘れることも、疲れきって休みたい時だってある。
女性の肩といえば逞しいが、男性には劣るこの肩にはいったいどれほどの命が、責任がのしかかっているのだろうか。
そっと肩に触れる。
少しでも、肩の荷を一緒に背負うことができたらいいのに。
「私は、少しでも貴方の力になれていますか」
考えていたことがいつの間にか口に出てしまっていたらしい。
思わずはっと口を紡ぐ。
幸い、まだハンジは夢の中のようだ。
目覚めている時の調査兵団団長ハンジ・ゾエとは違う穏やかなその寝顔を確認すると、なまえは部屋の整理を再開した。