第1章 ずっとそばに【団長ハンジさん・R15】
「ん・・・」
身じろぐハンジに起こしてしまったかと思ったが、
まだ眠っている。
よほど疲れているのだろう。
今日は休みの日だ。
いくら団長職が多忙だと言ってもたまの休みの日くらい、この人にだって休息は必要だ。眠っているハンジはそのままになまえは散らかった部屋の整理を始めた。
こんな風に部屋を散らかすのは分隊長時代から変わっていない。
そんなことを思いながらなまえは
そこら中に散らばった書類の整理を進める。
お世辞にも綺麗に整頓されているとは言い難いが、
書類は塊ごとにきちんと分類され、確認のサインも入っている。
この人がきちんと書類仕事をこなすようになったのも変わった、
となまえはふと思う。
以前のハンジなら、実験に夢中になっていつの間にか寝落ちしてしまうことはあっても強制されたり怒られたりしなければ寝落ちするまで書類仕事を行うような人ではなかった。
モブリットさんが代わりに通常業務をやらされていたっけなと思い返すとなまえは自然と笑みが零れた。
しかしもうこの人を支えられる人はたくさん居ない。
いつのまにか何度も死地を乗り越え、
気心の知れた仲間はわずか数名になってしまった。