第3章 好きです、ハンジ先生!【科学教師のハンジさん/転生】
「なっ」
開いた口が塞がらないとはこの事だ。
この男も記憶があるのか?
一体いつから?
「しかし本当にいい茶葉だな
壁内でよく飲んでいた味だ」
よく見つけたものだと
エルヴィンは少し嬉しそうに再び紅茶を口にする。
“ 壁内”という言葉をわざわざ使うということはこの男には記憶がある。間違いなく。
エルヴィン・スミスはそういう男だ。
「すれ違ったなまえは酷く動揺しているようだった。
ハンジ、君の思惑通りに事が運んだのかもしれないな。 」
「エルヴィン・・・
貴方は一体いつから」
「君と再会した少し後、かな。
記憶が戻ったのは」
驚いたよとエルヴィンは笑った。
「なんにせよ、よかったじゃないかハンジ。
この平和な世界でなまえを失う心配もなければさらに幸運なことに今の君は男だろう?
これでなまえと心置き無く付き合えるな」
私もやっと安心できる。
と紅茶を飲みながら淡々と話す上司の姿に疑問符が頭の中を飛び交う。
「エルヴィン、
貴方もなまえのことが好きだったんじゃないの?」
「は?」