第3章 好きです、ハンジ先生!【科学教師のハンジさん/転生】
「わぁ、いい匂い」
できましたか?といつの間にかなまえが隣に立っていた。
「あ、あぁ・・・・・・うん・・・できたにはできたんだけど・・・」
先程目の前のなまえを見ていないことに罪悪感を抱いたばかりだが、果たしてこんな下心満載の紅茶を飲ませてもいいものか。
葛藤から曖昧な態度をとる私になまえはきょとんと首を傾げている。
「できたならいただきますよ?」
なまえはひょいっとティーカップを掴むと息を吹きかけ紅茶を口にした。
「ああっ!なまえ・・・
ど、どうかな・・・・・・?」
コクッ・・・・・・・・・
なまえはひと口飲むと目を見開いた。
そして、ゆっくりと私を見上げる。
その瞳は揺れ、奥には動揺の色が見える。
まさかーー
「私・・・どこかで」
その時チャイムが鳴り響いた。
全校生徒は帰宅しなければならない時間だ。
「ハンジ先生、ごめんなさい!
また明日!」
チャイムの音に反応すると
なまえはティーカップを丁寧に机の上に置き、
素早く荷物をまとめるとバタバタと部屋から出ていった。