第3章 好きです、ハンジ先生!【科学教師のハンジさん/転生】
なまえはまたしてもぽかん、とすると
吹き出した。
「あはは・・・! 大きな声出して変な先生」
迷惑じゃないならよかった。と胸を撫で下ろすなまえの姿に胸が痛んだ。
この子は、教師として今生きているハンジ・ゾエにこんなにも好意を抱いてくれているのに。
私はずっと、
この子の中に調査兵団所属の兵士なまえの面影を探している。
「なまえ、不安にさせたのならごめん。
そうだ!いい紅茶があるんだ、一緒にどうかな?」
罪悪感からここはなまえに一杯ご馳走することにした。
「いいんですか!? 嬉しい!」
心底嬉しそうに微笑むなまえに私の頬も緩む。
だが、私は紅茶を入れながらふとあることに気づいた。
この茶葉はあの世界で飲んだ紅茶によく似ている。
もしも今のなまえにこれを飲ませたら少しでも前世の記憶を思い出すんじゃないか。
これはそういう下心があって手に入れた茶葉だということに。