第3章 好きです、ハンジ先生!【科学教師のハンジさん/転生】
しまった。
突然名前を呼ばれたことで
目の前の生徒はぽかん、としている。
でも私はこの顔を知っていた。
そう、かつてなまえに初めて会った時、
突然巨人について熱く語りだした私に向けた表情そのものだった。
根拠はこれだけだけど
私は確信したんだ。
この子がなまえの生まれ変わりなんだと。
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なまえにも前世の記憶はないみたいだったけど
彼女は私に酷く懐いているようだった。
私の授業がある日や授業などなくても彼女なりに質問を見つけてきては放課後、私のいる職員室や科学準備室に足繁く通ってくる。
目を輝かせながら私の解説を聞き
熱心にノートを取る姿はまたしても私の記憶を掻き立てる。
あの時も私の巨人論について熱心に聴いてくれていたっけな・・・・・・。
「ハンジ先生、またそんな顔してる」
「え?」
過去の記憶に思いを馳せていると。
目の前のなまえが頬をふくらませながらこちらを睨んでいる。
「そんな顔って・・・・・・」
思わず自分の顔をぺたぺたと触る。
「なんだかすごく悲しそう。
心がここにないっていうか。
先生がどこか遠いところを見つめてる、みたいな。
・・・・・・私が毎日のように押し掛けるから迷惑になりました?」
「迷惑だなんて!
そんなことあるわけないだろ!?」
悲しそうに俯くなまえに
つい前のめりになって反論してしまう。