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短編集 【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】

第17章 キスから先の進め方【分隊長ハンジさん・R18】





「んん」


突然のことで驚いたのだろう大きな瞳を見開き、苦しそうに胸を押してきた。
そんなことはお構いなしに暫く唇の感覚を楽しんでから解放してやった。


恨めしそうな瞳が私を見上げている。
それすらもどうしようもなく可愛くて頬が緩んでしまうのだから我ながら重症だ。



「怒ってるのに」

「無駄だよ、なまえはどんな顔してても可愛いんだから」

「っ!」


ストレートに思ったままを伝えると発火してしまったのではないかと思うくらいなまえの頬や耳までもが一瞬で紅く染まった。


「なまえ、もっとしたい」

「う・・・・」

「なまえ。」


恥ずかしそうに俯くなまえを宥めるように名前を呼ぶ。


「無言は肯定と受け取るけど」

「ハンジさんずるい」

「誉め言葉として受け取っておくよ」


はにかむとさらに顔を近づけた。
眼鏡をしていないのでこの方がよく彼女の顔が見える。
頬を染め、困り果てた様子で睫毛を揺らす姿はとても煽情的だ。


「で、答えは?」

「・・・いやだ」


その回答に勢いよく肩を落としそうになるが、グッと堪えた自分を褒めてやりたい。
そんな顔で嫌だと、本当に止めてもらえると思っているんだろうか。


「却下」

「ハンジさ、んっ」


抗議の言葉も塞ぎ込むと触れるだけのキスを何度も何度も角度を変えて落としていく。
頬を撫で、髪に触れて毛先を遊ばせたりたまに唇を啄んでやると身体に入っていた力もだんだん抜けていく。
肩に置かれるだけとなった彼女の手にもう抵抗の色は見られない。


「あっ!? っん、んぅ」


薄っすらと開いてきた唇の隙間からゆっくり舌を滑り込ませると驚いた声と同時に肩に置かれていた手にギュッと力が入る。


舌を入れたのは初めてだから驚いているだろうし、この反応はその行為自体初めてかもしれない。
今までの奥手な行動にも何となく合点がいくと、安心させるよう背中を擦った。


口内では乱暴にならないよう全体を優しく撫でると、引っ込んでいる彼女の舌を絡めとるように吸った。
唾液が絡み合う健全とはいいがたい音が互いの鼓膜を刺激するとなまえの喉からもくぐもった声が漏れる。


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