• テキストサイズ

短編集 【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】

第14章 ちっちゃくなっちゃった!?【分隊長ハンジさん】





「はんじ、すきっ」

「うっ」


さらに強く巻き付けられる腕。
息苦しいが、子ども特融の柔らかい身体も体温も心地いい。
なにより、素直ななまえが心の底から可愛いと思う。


この好きは私が思っている好きと同じかどうか悩ましいが。


可愛さには抗えないようで、
気づけばなまえの頭を撫でていた。
気持ちよさそうに目を細める小さななまえ。


「親子みたいだね。」

「そうだな、お似合いだ。」

「しかし、どうしたら元に戻るのでしょうか・・・」


モブリットの言葉に癒されていた一同はふと我に返った。


「ずっとこのままというわけには・・・」

「ふむ、そうだな」

「実験の許可が欲しいんだけど、」

「こんなに小さな子供を分隊長に実験させるわけにはいきません!」

「そうだな。こんなにも可愛い子供を」


実験の提案はいとも簡単に却下されてしまった。
何だかんだエルヴィンは子供なまえが可愛くて仕方ないらしい。


いつの間にか腰を屈めてなまえの頭を撫でている。


「なまえはハンジのことが好きなんだな。」

「うん、すきだよ!」

「では、愛してるか?」

「あい・・・?」

「もっと好きってことだよ」

「はんじ、あいしてる!」

「だそうだ。ハンジ」


絶対に楽しんでいるこの団長は。
彼女がまっすぐに愛を伝えてくることが嬉しい反面、
皆に面白そうに見られているこの状況は楽しくない。


「しかし、元に戻って貰わなくてはな。
彼女は我々調査兵団の大切な戦力だ。」


振出しに戻り一同が頭を捻っている中、
なまえが不満そうに腕の中で唸った。


「うー」

「どうしたのなまえ。」

「はんじ、ちゅー」

「えぇ!?」


相変わらずきらきらと輝かせた瞳で無邪気におねだりしてくるなまえ。
大人の姿だったらどんなに嬉しかったか。


顔を近づけてくると小さな唇を突き出してくる。


「んーっ」

「いやいや、ちょっとまってなまえ」

「やだあ」



周りからは絶対に面白がっている視線を感じる。


手でなまえを制するとみるみるうちに不機嫌になっていく。
顔になまえの面影を感じるせいか、
その姿も可愛くて困る。


子供にキスは・・・
せめて額・・・いや頬か。


/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp