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短編集 【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】

第14章 ちっちゃくなっちゃった!?【分隊長ハンジさん】





「この子供が本当になまえなのか?」


ソファーにちょこんと座らされた小さななまえを見て
本日何度目かの反応をエルヴィンがしている。


服はぶかぶかの部屋着では可愛そうだと
ナナバが着なくなった私服を着せてくれた。
身体が小さいのでシャツ一枚でもワンピースのようになっていて丁度いい。


小さななまえはというと
満足そうにリヴァイが淹れた紅茶を飲んでいる。


「ふかふかおひげっ」


髭がお気に入りらしい彼女はティーカップを置くと
新たな髭を求めミケの膝の上によじ登り始めた。


「おい、危ないぞ」


瞳をきらきらと輝かせる誰が見ても癒されるその姿に
ミケもまんざらではなさそうだ。


かわいい・・・
団長室にいる全員が思ったであろう感情を
頭を振りかき消すとエルヴィンに向き合った。



「朝起きたらなまえの代わりに小さくなったなまえが目の前にいたんだよ。」


エルヴィンはこの言葉にほぅと唸ると
楽しそうに目を細めた。


「一緒に寝ていたのか。」


仲がいいな。と心の底から楽しそうにニヤニヤしている。


「うっ、うるさいなあ。いいだろ別に」

「巨人にしか興味がないのかと思っていたから安心したよ。」

「だからうるさいって!」


我ながらうまい言い訳もできず情けないと思う。
別に言い訳をする必要もないが。


「しかし、どうしましょう。
元に戻ってもらわなければ・・・」

「子供の姿で壁外に出すわけにもいかねえしな」


次は自分だとなまえを膝に乗せようとしているリヴァイだが
なまえに拒否されている。


「ていっ」

「っ、何しやがる」


リヴァイの顔をぺちっと叩くとミケの膝から飛び降り
こちらに歩いてくる。



「はんじっ」


目の前で自分を見上げ瞳を輝かせているなまえ。


「だっこ!」

「えぇ」


子供の気持ちは移り変わりやすいらしい。
固まっているとみるみる涙目になっていく。


「ほらハンジ、ご使命だよ」

「えぇ、ちょっと」


見かねたのかなまえを抱き上げたナナバから
ぎこちなく彼女を受け取る。


なまえはというと満足そうに首に小さな腕を回し
ぎゅうと抱きついてくる。



「ふふ、なまえはハンジが好きなのかな?」

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