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短編集 【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】

第10章 再会【分隊長ハンジさん・R18】





ハンジとたまたま再会した夜から数日後。
なまえは兵舎で身支度を整えていた。
いつもよりめかしこむ姿に同室の子がニヤニヤと見つめてくる。


今日はあの夜ハンジと約束をした日なのだ。
街でお茶でもしよう、とハンジが誘ってくれた。


久しぶりにハンジとゆっくり話せる。
そう思うと自然と胸が高鳴った。



「綺麗に着飾っちゃって、もしかして男?」

「そんなんじゃないよ。友達と遊ぶの」

「怪しー」


怪しんでくる同室の子を無視し、
なまえは部屋を飛び出した。



ハンジは同性なのだから
特別ウケなど気にする必要も無いのだが
どうせなら綺麗な姿で会いたかった。


繊細なレースのワンピースに
普段履かないヒールのパンプスを選んでみた。成長したところを幼馴染に見てもらいたかったのかもしれない。




待ち合わせの場所に着くと、
そこには既にハンジが立っていた。
シャツにパンツというハンジらしいシンプルな服装に思わず顔が綻ぶ。



駆け寄るとハンジはすぐこちらに気づいた。


「ごめん、待った?」

「全然、今来たところだよ。」


見つめ合うと二人同時に吹き出した。


「アハハっ、何だかデートみたい」

「ある意味デートだよ。
私は今日が楽しみで仕方なかった」


ハンジは微笑むと
なまえの手を取り歩きだした。


「ちょっと、ハンジ!」

「なまえ、今日の服装可愛いね。その靴も。
転ばないように手を繋いでおかなきゃ」


「なっ」


「アハハっ、真っ赤になってるー」


吹き出すハンジの姿に心臓が締め付けられる。
ハンジはこんなにカッコよかっただろうか。
調査兵団としてきっと立派に成長したんだ。


そう思うと、
組織のためとはいえ身体を売り続けている自分が恥ずかしくなった。

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