第1章 酔っ払いは嫌い!
タクシーを拾って無事に二宮のマンションに
帰って来た2人。
櫻井を支えていた二宮は玄関に入るなり、倒れ込んだ。
すると当然櫻井も崩れ落ちる訳で。
「もーむり。しょーちゃん重い」
「…っいてぇ…」
「知らねぇよそんなの。自分で中まで来てよ」
二宮はさっさと立ち上がり、
スタスタと部屋の中へ入って行った。
「はー…っ。ほんとに疲れた」
「ごめんカズー…」
「……水飲む?」
「欲しい、です…」
二宮がソファーに座っていると
櫻井は意外に早く入ってきた。
櫻井が二宮の隣に座ると同時に二宮は立ち上がった。
そして水を汲み、櫻井に渡すと
別のソファーに座り直した。
「カズー…?」
「なに」
「こっち、おいでよ」
「やだ」
「なんでー…」
「…しょーちゃん、目ぇ据わってるよ」
二宮は淡々とした口調で櫻井に言い返し
シャワールームに消えていった。
「しょーちゃん?」
「んー…」
「しょーちゃん。シャワー浴びる?」
「浴びる…起きててね…?」
「…多分ね」
「えー…、」
シャワーから出てきた二宮は
ソファーでぐたぁっとしている
櫻井に歩み寄り、顔を覗き込んだ。
櫻井は二宮が起きていることを願って
シャワールームに向かった。
「ふー…すっきりした…」
「お帰り。しょーちゃん」
「ふふ、カズ…もう寝る?」
「うん」
次は隣に櫻井が座っても
二宮は立ち上がらなかった。
櫻井にニコッと笑いかけた二宮。
この笑顔でさっきまでの
素っ気ない二宮の態度は
櫻井の頭の中で白紙にされる。
「ね…キスしてい…?」
「……酔っ払いしょーちゃんは?」
「もういないよ」
「…んふふ…ん。」
「ん、…可愛いカズ。好き…」
「…ちょっとお酒の匂いする」
「……ごめんなさい」
「…ふふ…」
ベッドに入って向かい合い、唇を合わせるだけのキス。
二宮は櫻井の胸に顔を埋めて
甘えるような仕草を見せた。
まだお酒の匂いがする櫻井を
からかいながらも笑顔を見せ、
素直に櫻井に抱きしめられていた。
が。
「…っ!どこ触ってんだよ!!」
「いーじゃん、ね…?」
「出てけ酔っ払い!!」
「もう酔ってねぇってば!」
「うるさい!エロおやじ!!」
「俺だって我慢してんだよぉー…」
「今日ヤったら別れる!!」
「え…いや、それは勘弁…」
結局、櫻井は二宮にはかなわない。
End