第9章 お預け中
もちろん、この短時間で
雑に抱くつもりは毛頭ない。
気持ちはあるけども。
「この後も仕事…?」
「ぅん、ドラマ…」
「そぅ、だよなぁ…」
「…ごめんね、全然会えなくて…」
「いや、謝ることではないんだけどね…?」
「…俺も、寂しい。いつも会いたいよ、翔ちゃんに…」
「……んー…可愛い…♡」
「ふふ…翔ちゃん…♡」
こんなに素直なにのは久しぶりで…
さすがに、会えなさすぎてること
分かってくれてるんだなと思う。
「でもさ?この前も会ったよね。夜会で。」
「この前ってな…どんだけ前だよ。」
「そんな経った?」
「経った。しかも、あの日こそ、本番にしか会えなかったじゃん…」
「…ごめんね?」
「……ごめん。女々しいな、俺…」
「好き。翔ちゃん…♡」
好き、なんて…こんな笑顔で…
それだけで感無量な俺は…
惚れてんだな、こいつに…と実感する。
「…もうちょっと…」
「ん?」
「もうちょっとだけ…、して…」
「……ちゅっ、…あーもう…俺がどんだけ我慢してるか…」
「…知ってる…♡チュッ、…翔ちゃん…ちゅっ…ちゅ…ん、」
「マジで…ドS…ちゅっ…」
キスをねだられて…
断る選択肢なんてなく、唇に吸い付く。
自分の首を締めることは分かってるのに…
この時間を無駄にしたくない。
きっと、この部屋を出たら
にのはさっきのにのに戻ってしまう。
後輩を引き連れてるんだから
当たり前だけどね…
いつもよりどっしり構えるにのがカッコいい。
そんなにのを見るのも、楽しみなんだ。
「ねぇ…今度いつ会える…」
「んー…ドラマ終われば…多少は時間できるから、」
「ん、じゃあ…アップしたら、我慢しなくていい?」
「…もぅ…やらしい、翔ちゃん…」
「ああ…俺はやらしいんだよ。にののカラダが見たくて仕方ない…」
「……アップしたら、連絡する。」
「うん」
「…ちゅっ、…自分ばっかり、我慢してると思うなよ…」
「え?」
「…ばいばい!」
「あ、ぁあ…本番よろしく」
「よろしくお願いしまーす♡」
「ふふ…」
あー…早く、会いたいな…
いま、離れたばかりなのに、な。
早く俺の腕の中に閉じ込めたい…
好きだよ、愛してる。
END