第8章 嘘
※SN←A要素あり
>>side:Jun
「しょーちゃんは俺のことなんかどうでも良いんだっ!!」
…楽屋のドアを開けるとカズの声。
なんか面倒くさいとこに来ちゃった…
「あ…松潤…おはよ……」
「…はよ」
「っ、…ぉはよ…」
「!」
いやいや。待って。
カズ泣いてんじゃん!
「…翔くん何してんの?」
「え…」
「なにカズ泣かせてんの」
「潤くんっ…」
また、ただの喧嘩かと思ったら
カズが泣いてた。
翔くんが泣きそうな声出してるのは
しょっちゅう見るし、慣れてるけど
カズが泣いてるのは珍しい。
俺がカズの横に座ると
カズは俺に抱きついてきた。
ドSでひねくれていつも
翔くんを困らせてて
それでも心は翔くん一筋なカズが。
「喧嘩ならいくらでもしたらいいけど、泣かせちゃダメでしょ。」
「おはよー…あれ。なんか変な雰囲気?」
「翔くんがカズ泣かせてた」
「え!!?翔ちゃん何してんの!!」
「いや…」
相葉ちゃんも俺の方に寄ってきた。
「ニノ何されたの!!」
「翔くんなんか嫌い…」
「ニノ~…大丈夫だよ、俺たちがいるからね!!恋人泣かすなんて翔ちゃんサイテー!」
「相葉ちゃんー…」
「俺はニノの味方っ!!」
今度は相葉ちゃんに抱かれるカズ。
普段のカズには珍しく弟みたい。
泣いてるカズを不覚にも
可愛いと思ってしまった。
「はよー…あれ珍しい。」
楽屋に入ってきたリーダーは
キョトンとした顔で
カズと相葉ちゃんを見た。
「リーダー聞いて!!翔ちゃんがニノ泣かせたんだよっ!」
「へ…?!なんで。どーしたの翔くん」
リーダーはとりあえず空いている場所
翔くんの隣に腰を下ろして
もうヘタレ全開のこっちも泣きそうな
翔くんの顔を覗き込んだ。
カズは未だに相葉ちゃんの腕の中。
「翔くん何したの?」
「…したって言うか……」
「ん?」
「…明日、…記念日なんだけど……」
「え?」
「俺ら、付き合って1年なんだけど…」
「超大事な日じゃん。」
「うん……」
「しょーちゃん忘れた。」
「え!?ニノなんだって?」
「しょーちゃん覚えてなかった!!」
「…………………」
カズの声に楽屋はシーンとした。