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短編集 SN【気象系BL】

第8章 嘘




「覚えてなかった訳じゃ…」

「それはダメだ、翔くん。」
「ひでぇ翔くん。」
「翔ちゃんヒドい。ニノが可哀想。」

翔くんの隣に座っていたリーダーは
カズの言葉を聞いて、こっち側へ
そそくさと寄ってきた。


4対1。
もうヘタレさんは負けオーラ全開。
三段攻撃はかなりきいたみたい。


「にの、明日は翔くんにいっぱいおねだりしなよ?」
「そーだよ!!いっぱいプレゼント買ってもらいな!!」
「…明日会わないもんっ……」

「「「え…?」」」

「カズ…マジで別れんの?!」
「……………」


カズは一瞬翔くんを睨みつけて
走って楽屋を出て行ってしまった。




「…まずいよ翔ちゃん。」
「めっちゃ怒ってるね、にの」
「翔くんどーすんの?…って言うかなんで明日会わないの?仕事朝だけじゃない?」
「そーだよね。なんで?」


「…友達の結婚式が明後日でさ…前日リハとか……俺司会で…」

「…でも、前から分かってたことでしょ?なんで前日になって言うの?」
「どうしても…言え、なくて……」

「「「…ヘタレ。」」」

「はい…すみません……」


あんなに聞き分けの良いカズが
怒るのも無理ないよ。
しかも前日まで言えないって…
どんだけだよ!


「そのリハは、昼から夜中まであるわけ?」
「いや…夕方くらい……」
「じゃあ会えるじゃん!!」
「でも、終わる時間分かんねぇし…」

「バカ!!無理にでも終わらすの!!んで、にの迎えに行ってやれ!!」
「!!」

リーダーが珍しく大きな声を出した。
それには俺と相葉ちゃんも呆然。

「…とりあえず、にの連れてくるから仲直りしなよ」
「…うん」


リーダーが話すのを聞いて
俺たちはドアを開けた。

「喫煙所?」
「いや、煙草置いてあった」
「じゃあ自販機」
「だな。俺前室とか見てくるわ」
「おっけー」



前室にカズはいなかった。
スタッフに聞いても見てないって。

楽屋に戻りながら
空いてる楽屋を覗いていくと、

薄暗い楽屋の中にカズはいた。



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