第5章 様々な表情
「ねー、BluRayほしいなぁ…」
「…買ってくれないんですかぁ?」
「恋人なんだからちょーだいよ?」
「俺もまだないんだもん。」
「うそ。置いてあった。」
「…翔さん、こわい。」
「にのぉ…観たいよー。」
「お店に行けば、もう売ってますよ」
「………」
「……分かった。持って帰ってくるから!その顔やめなさい。」
「ぃやった!」
「………」
「お金は払うよー!和からもらいたいの♪」
「…左様でございますか。」
二宮の主演映画のBluRay/DVDが発売された。
役者をやっている二宮が好きな櫻井は、
もちろんねだっている。
二宮は家で仕事の話をするのが好きではなかった。
櫻井も知っていることなのにと
少し機嫌を損ねていた。
ーーーー
数日後の楽屋。
和「翔さん、これ。」
翔「ぉお!!」
潤「あー、いいな、俺も欲しい!」
和「んー?いる?はい。」
潤「いいの?サンキュ♪」
翔「えー…」
和「何よ?」
翔「……。」
和「…ぶっさいくな顔。」
潤「あー、の、いいの?」
和「いいよ。気にしないで」
翔「………」
和「やめて、めんどくさい」
二宮はもらったBluRayを楽屋に持ってきていた。
一番に櫻井に手渡すと、それを見ていた
松本も欲しがり、それに気軽に応える二宮。
その行動が櫻井には不満だった。
二宮にとっては、メンバーに
渡すことは普通のことで。
松本が欲しがってくれたことは
むしろ光栄なことだったのに。
「にの!待って」
「…早く…」
「帰るんだよな?」
「うん」
「待って待って」
「………」
櫻井ばかり二宮を追っている。
周りからはそう見えていたし、
外では実際にそんな雰囲気だ。
「帰ったらこれ観よ?」
「やだよ。なにが面白くて自分の映画を家で観なきゃいけないの」
「俺が観たいから♪」
「1人で観れば。俺は観ない」
「えー…」
「えーじゃねぇ」
「じゃあ今日はメイキングだけにしよ」
「じゃあの意味が分かりませんけどね。メイキングなんて一番観たくないもんだわ」
「そんなツンツンすんなよー」
「誰がそうさせてるのか考えて頂きたいね。」
「あ、コンビニ寄ろう?」
「んー。」