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短編集 SN【気象系BL】

第4章 逆転嫉妬



櫻井は呆然としていた。
怒ってほしいと思った。
そう思ったのは自分だ。
その通りになった。
なのに…こんなに後悔している。

「…かず」
「なに」
「ごめんなさい」
「…なにが?」

風呂から出てきて、水を飲んでいた二宮は
櫻井が話し始めるとソファー前まできて
櫻井を見下ろした。

「…テレビでキスしたこと」
「……」
「楽屋で、あんな話、したこと…」
「……」
「少しでも…かずに、嫌な思いさせたこと」
「……」
「あと…、かずが怒ってくれるとこみたいと思ったこと」
「そんなこと思ったの?」
「思った…」
「なんでよ」
「妬いてるかずがみたかった…」
「……みれた?」
「…ん。後悔しかなかった」
「あっそ…。ごめんね、可愛い嫉妬できなくて」
「…ごめんかず…許して」
「…いいよ。おれ優しいからさ」
「うん…」

櫻井はソファーに座ったまま、
立っている二宮の腰にぎゅーっと抱きついた。
二宮は櫻井の頭をよしよしと優しく撫でた。

「しょうちゃん」
「はい…」
「こっち向きなって」
「……」
「キスしてあげる。」
「かずぅ…」
「…ちゅっ、…キス、したかったんでしょ?」
「うー…」

そっと上を向いた櫻井に
二宮は少し屈んで優しくキスをした。

「しょうちゃん」
「かずの、キスが一番、です…」
「そうじゃなきゃ、別れる」
「やだ。別れるとか言わないで?いやだ」
「ふふ…どうしたの、しょうちゃん」
「…嫉妬させたつもりが…自分の方が寂しくなっちゃった…」
「ふふ…!かわいすぎでしょ」
「すき、かず。だいすき。」
「甘えただね?珍しいから目に焼き付けなきゃ」
「……//」

普段、素直じゃない自分を相手に
プラス思考な櫻井がここまで落ち込むのも珍しい。
二宮はそう思うと、自然にいつもより
優しい気持ちになっていた。

「潤くんこわいなぁ。翔ちゃんより俺のこと分かってんじゃん?」
「え…」
「潤くんでしょ?怒ってるとか言ったの」
「なんで分かるの…」
「んー、まぁ、なんとなく」
「…かずも松潤のことわかるんだね…」
「…今日はどこまでもマイナス思考ですね?自分でまいた種なのにね?」
「うー…」
「寝ますよー。抱きしめてくれないの?」
「かずー」
「んふふ…おやすみ、しょうちゃん」
「おやすみ…」

ベッドでふたり。
二宮は櫻井の腕の中で幸せそうに眠りについた。

end

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