第4章 逆転嫉妬
「…怒った?」
「なんで怒るのよ。怒んないよ」
「え、…あ…」
「テレビでしょ。ドラマと一緒でしょ」
「ドラマとバラエティは違うじゃん…」
「…なに、あれ、本気でしたの?」
「そんなわけないじゃん」
「でしょ?…今日テッペンだから。じゃね」
「おつかれー…」
雅「翔ちゃん。俺は怒るよ!」
翔「え、」
雅「あ、翔ちゃんがしても怒らないけど。智がしたら怒るよ。怒ってる。」
翔「ぁあ…」
智「そうそうー。テレビなのに怒られるー」
雅「だって!嫌だもん」
智「へへっ。最近してない♪ね!」
雅「そう。ね!」
智「少しくらい嫌な顔してほしいんでしょ♪」
翔「そりゃ…相手、芸人さんでもないのに…あんな普通だとさ…」
雅「そうだよねー。にのちゃん、ドライだからなぁ」
テレビで櫻井は同じジャニーズの
タレントとキスをした。
もちろんふざけてやったことだ。
でも、恋人の二宮には嫉妬して
欲しかったのが本音だ。
潤「…してるんじゃないの?」
翔「え?」
潤「にの、嫉妬してると思うけど」
雅「あれでー!?」
潤「あいつ顔に出ないじゃん。」
翔「それはそうだけど…」
潤「あれでも、気にしてるよきっと。さっきの、今日テッペンだけど来ててってことじゃないの?」
智「すげぇな、松潤。そうかも。」
潤「ね?」
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夜、櫻井は二宮の家に帰った。
メンバーが言う言葉を半分信じて…。
「ただいま」
「あ…おかえり」
二宮は櫻井がいることに
少しも驚いていない様子だった。
いることを予想していたかのよう。
「かず…」
「…チュッ」
「!!」
「……誰かに言われてきた?潤くんあたりか」
「え…」
「ん?」
二宮はソファーに座る櫻井に向かって
直進し、肩に手を置き、屈んでキスをした。
軽く、一瞬だけのキスだ。
「怒った?」
「え…?」
「怒ったよ。怒った。悪い?」
「かず…」
「なにやってんの?」
「いや…流れというか…」
「そんな流れ、どうにでもなるよね?司会でしょ?」
「いや…」
「したかったの?キス」
「それは違うから!」
「俺が見ると思ってしたの?」
「…それは…」
「そうならだいぶ性格悪いんじゃない?」
「………」
「…最低。」
二宮は捲し上げるように話すと
風呂場に消えていった。