第7章 聞きたいコトバ
>>side:Ohno
「にの?大丈夫か?」
「…ん?大丈夫。」
「そっか」
「松潤、寝てな?ちょっとでも」
「ん…ありがと」
今日はバラエティーの収録なんだけど
松潤が高熱で体調不良。
熱は昨日からで…昨日も一緒に仕事
だったけど、みんなでフォローした。
あと…最近、にのがぼーっとしてる
ことがよくある。よくって…
昨日気付いたんだけど…
いつも突っ込みが入るような
流れの部分でにのの声がしない。
絶対変だ。
でも、聞いても返ってくる
コトバはいつも“大丈夫”
楽屋
雅「差し入れもらったよ~♪」
翔「お!ありがとうございまーす♪」
雅「松潤どれがいい?」
潤「ん…いまいいや」
雅「置いとくね!持って帰りなよ!」
潤「うん、ありがと…」
雅「俺これにしよ~♪」
翔「にのと智くんどれがいい?」
和也「…俺、いいや。」
雅「あ、にのこれが良かった?」
和「ん?んーん、違うよ」
雅「ほんと?食べちゃうよ♪」
和「うん」
翔「智くんは?」
智「…あ、じゃあこれ。ありがと」
翔「にのほんといいの?」
和「うん。」
にのは少食で、元々お菓子とか
あんまり食べないんだけど
さすがに今日は気になった。
「にの、ちょっと食う?」
「んー…」
「ほら、ちょっとだけ。後でお礼言わなきゃだろ?」
「…うん」
ちぎって口元に持って行ってやると
仕方なさそうに口を開けた。
「旨い?」
「…ん。…水欲しい…」
「水?水、はい。」
「ん…」
いつもなら別に無理に
食べさせたりしない。
お礼だって、感想だって、
にのは周りの俺らの反応をみて
上手く言えるはずだ。
でも、今日は…
何も言わないにのが心配で…。