第6章 素敵なわがまま
「かず~…あ、…」
「……ぁ…」
「あ、ごめんね。起こした?もう寝る?」
「ん…眠い…」
「よし、じゃ、一緒に寝ようね?」
「ん…さとし…♪」
「ベッド行こ!」
二宮は開きっぱなしだった台本を
机の上に置いて、大野に
もたれ掛かるように歩いた。
「っふはぁ……」
「ふかふか~♪」
「ふふ…」
「かず、疲れた?」
「んー…ちょっと…ね?」
「よしよし♪」
「ふふ…きもち…♪」
「かず~好きだよ。だぁい好き♪」
「ん…おれも…すき…ょ」
「かぁず……ちゅっ」
「………そんだけ?」
「あ、おきた」
「寝ないよ?もったいないじゃん…ふふ…」
「…可愛い…いっぱいちゅーしてあげるけど…、寝てね?」
「…難しい相談だねぇ…?」
「ふふ…かずは賢いから大丈夫♪」
「ンッ…ん、ふ…ふふ…んっ…はぁ…//」
「きもち?」
「ん…ふふ…寝ろって言いながら話しかけちゃってんじゃん…」
「へへへ♪可愛いからつい!」
大野は目を閉じた二宮の唇を
自分のそれで覆い、
甘い雰囲気で、激しく、吸い上げた。
「…さとし?」
「ん?」
「好きよ。だぁい好きなの…さとしがいれば、俺、大丈夫なの…好き…」
「かずぅ…そんなにいっぱい言わなくていいよ?もったいない。また明日言って?」
「…ふふ…それは…約束は出来ませんけど…?ふふふ…」
「もー、小悪魔めっ!ふふ…よしよし。ほんとに寝ようね?」
「さとしが起こしたんだよ?やらしーキスしてぇ…」
「はいはぁい、ごめんね?いい子だから寝よ」
「ん…さとし……ぎゅって…」
「おやすみ…♪」
すぐに寝息をたて始めた二宮を
じっと見つめながら、大野は
優しく抱きしめ、頭を撫でた。
二宮はふわっと安心した顔をした。
疲れたときほど、忙しいときほど、
ひとりよりふたりのほうがいいらしい。
End