第7章 聞きたいコトバ
「…いつからしんどいの…?」
「…きのぅ、…ぐすっ…っ、熱っ…ハァ…あってね…、」
「うん、」
「朝っ…ヒクッ…、さがっ、…ふぅ…下がってて、ね、」
「うん、大丈夫だと思ったんだね」
「ん、コホッ…でもっ、…」
「苦しくなっちゃった?」
「ん、…でも、…コホッコホッ…なんもっ…、食べ…ふぅ…食べてな、…なぃっから…、ヒクッ…」
「苦しいのに吐くものなかったんだ…」
「みず、…吐い、た…」
「そっか…。うん、ありがとう話してくれて…。よしよし…しんどいね…よしよし」
「ふぇっ…り、だぁっ…ぅえっえぇえ…」
「うんうん、」
抱きしめて背中をさすってやると
にのは大泣きし始めた…。
水までもどしちゃって
体温が下がってるにのを
とりあえずあっためなきゃと思って
翔くんに電話して迎えに来てもらった。
翔くんは軽々とにのをおんぶして
楽屋まで連れて行ってくれた。
「翔ちゃんこっち!ここ寝かせてあげて!」
「了解っ」
楽屋では相葉ちゃんが
毛布を敷いて、待っていてくれた。
松潤も起きて心配そうにしてる。
「にの、暖かい?暑くない?」
「…ん…あったかぃ…」
「ふふ…ほっぺちょっとピンクになってきたね、可愛い♪」
「ちょっと!何言ってんの相葉ちゃん!」
「だって可愛いんだもん!!」
「知ってるよそんなこと!」
「なに怒ってんのさぁ~!あ、みんな構ってくれなくて寂しいんでしょリーダー!リーダーも構ってあげるからぁ♪よしよーし♪」
「やめろーっ!!//」
「うるさいわお前ら!!」
こんなときでもいつも通りの
騒がしい楽屋に、にのも松潤も
安心したように微笑んでた。
「にの…しんどいね…」
「……ね…」
良かった。
ちゃんと聞いてあげられて。
しんどい時、辛い時は
人を頼れば良い。
他の人のこと、考えなくて
良いときだってある。
我慢して隠さなくていい。
自分なんか大丈夫、
自分よりしんどい人がいる…
なんて、そんなこと考えなくていい。
いっぱい迷惑かければいいんだよ。
迷惑だなんて思わない。
逆に、俺を頼ってくれたって、
俺に話してくれたって、
嬉しい気持ちになる。
だから、コトバにしていいんだよ。
END