第3章 誰も知らない ★
「ほらいくよ!」
「待ってー」
他のメンバーは先に出て行った。
二宮は大野の手を引いて
取材のある部屋に入った。
「遅かったじゃん」
「だってリーダー起きないんだもん」
「にのがちゅーしてくれたらすぐ起きたもん」
「あんたバカじゃないの!?楽屋でする訳ないでしょ!!」
「誰もいなかったのにー」
「関係ないのー」
取材と撮影は個別に行われた。
隣で取材をしているメンバーの話に
首を突っ込んでみたり、
5人揃うといつもわいわいと
楽しい現場になるのだ。
「大野さん、伝言板お願いします」
「あ、はーい。先月の見ていい?」
「はい、どうぞ」
大野と二宮は某雑誌の
伝言板のコーナーを交換日記の様にして
遊んでいるのである。
「にの、紙ではこんな素直なんだよなー」
「ん?」
「絶対こんなこと言ってくれないもん!」
「あはは!大野さんは口で言われたいんですね」
「たまには言ってほしいよねー」
「何を言って欲しいってー?」
「あ…にの。」
「バカなことばっか言ってないで早く書きなさいよ。先帰っちゃうよ!」
「えっ、終わったの?」
「みんな終わったよ。もう楽屋戻ってった」
「えー待って!にのだけ待って!!」
「俺それ見ちゃダメじゃん!ってことでバイバイ♪」
「えーっ」
二宮はそう言い残して
本当に先に楽屋に戻った。
「リーダーは?」
「バカやってる。」
「ははっ!なにそれ(笑)」
「だって…。バレたらどうすんだろ」
「大丈夫だよ。キスしても大丈夫だよ、お前らは(笑)」
「…そー」
「にのヒドいー!」
「先帰ったの俺だけじゃないもん」
「そうだけどさ。待ってくれてもいいじゃんか…」
「待ってんじゃん、早く帰る支度しなよ。ほんとにおいて帰るよ」
「あ、だめ!待って!!にのんチ行っていいんでしょ?」
「…いいから。早く」
「うん♪」
「大変だなーにの(笑)」
「ほんとだよ」
「ふははっ(笑)」
「はい!帰ろうにの♪」
「うん。お疲れ様」
「お疲れさまー」
「「「お疲れ~」」」