第1章 ふたり
「にの、大丈夫…?」
相葉ちゃんに似つかない声。
ぽんぽん、て頭に置いてくれた手。
優しくて、暖かかった…。
「…あたま撫でて…?」
突然こんなことを言う俺に驚きもせず、
優しく頭を撫でてくれた。
暖かい…
人の体温が暖かくて恋しい…
「手、握って…?」
不安で、人の体温を感じたくて…
相葉ちゃんが、ここにいてくれる
ことにすごく安心した。
「あいばちゃん…」
「にの?泊まってっていい?」
相葉ちゃんは、俺の言いたいことを
逆に言ってくれることがよくある。
今だってそう。
相葉ちゃんは、俺のこと、
すごく分かってくれてる。
俺より知ってんじゃないかってくらい。
…どんな俺でも受け止めてくれる。
ありがとう、相葉ちゃん…
独りで帰って来なくて良かった…。
相葉ちゃんがいてくれて良かった…
俺、独りになりたくなかったみたい。
相葉ちゃんは、きっと
分かってたんだよね…
ありがとう。
side:N End。