第9章 甘えんぼう
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「かーずー、デザート♪」
「うん。」
「どっちがい?」
「どっちでもいいよ?」
「じゃあーはい!右か左!」
「ひだり!」
「はい♪」
「んふ…ゼリー」
「俺プリン~♪」
仕事を終えて、帰ってきた。
俺も家ではかずって、したの名前で呼ぶの。
恋人っぽくない?ね♪
「おいし?」
「うん。あーん」
「やった♪あーん♪ん、うまいね!」
「ん♪まーのもちょうだい?」
「うん♪あーん♪」
「あー…ん、ん、おいし」
例えばだよ?誰かがいるところだと
今のだって簡単にはいかないの。
かずは恥ずかしがりやだからさ?
強がって、あーんなんて
絶対やらせてくれないんだけど。
二人になると素直なの。
可愛いよね。二人だと照れる…
みたいなことじゃないんだよな。
安心してくれてるんだなって感じる♪
「なに?」
「ん?なにが?」
「…なんか見てたじゃん」
「…可愛いなぁと思って?」
「…なんでハテナなの?」
「ん~ふふ!よしよし~♪」
「んや~!もぅっ!…まーくん、」
「え~?もう…どした?かず、疲れてんじゃない?今日も眠そうだったし…」
頭をわしゃわしゃ撫でてあげると
かずは上目遣いで俺をみた。
「んーん、全然…違う…」
「違う?…あ、分かった。分かったよかず~♪」
「ん…?」
「チュッ…」
「ン…まーくん…//」
「寂しかったんだ?」
「…ん…」
「かずは甘えん坊なんだから、甘えていいんだよ?♪」
「…ん!」
甘えん坊なんだから、甘えていいとか…
甘えるから、甘えん坊なんだよね。
自分で、逆じゃね?なんて突っ込んでみる。
かずは俺に抱きついて離れない。
仕事中の突っ込みは嬉しいけど…
突っ込みがないふわふわの
プライベートはまた特別。
「まーくん…疲れてる?」
「ん?全然。変?」
「黙って見られたら…恥ずかしい…//」
「んふ!可愛い~!!」
「もうっ//」
「今日は一緒に寝ようね♪」
「…うん//」
ふふって笑いあって、たまにキスして
また笑って…そんな時間が一番幸せ。
「ね、今日まーくんって呼んだよね、楽屋で」
「…うそ?」
「ほんと。まーくんって言って寝たよ♪」
「…恥ずかしっ…//」
「みんな可愛いって言ってたよ?♪」
「やーだー…//」
「ひゃひゃ♪ね、呼んで?」
「…まーくん…?//」
「あー…可愛い…幸せっ♪」
「んふふ…♪」
End