第1章 ふたり
「はぁ……」
「にの、?」
「ん…?」
「大丈夫…?」
「…ん、」
夕ご飯も食べてから、何を見るでもなく
TVをつけて、ただリビングで
ゆっくりしてた。にのは
相変わらず横になって…
たまにため息をついた。
無意識だろうな…
頭をぽんぽんってしてあげたら、
ほわって笑った。
ほわっ?ふわっ?まあそんな感じ!
「ねぇ……」
「ん?なに?」
「…あたま撫でて…?」
子犬のような可愛いうるうるした目…。
撫でてあげると、気持ちよさそうに
目を細める仕草はほんとに犬みたい。
にのの髪の毛はサラサラで、
柔らかいんだ。
俺も触っていて気持ちいい。
「…あいばちゃん……」
「ん?どした?」
「手…握って…?」
「ん、いいよ!」
手を握ってあげたら、にのは
ぎゅうっと握り返してきた。
無表情だけど、嬉しいんだ、って
いうのは伝わってきた。
分かるよっ!ずっと一緒だもん♪
「あいばちゃん…」
「にの?泊まってっていい?」
「…ふふ……うん!」
「ひゃひゃ!久しぶりだねぇ、お泊まり♪」
「ん…♪」
泊まってって。って、聞こえた。
にのはこれでもシャイだから、
言えないの。だから全部俺が
言ってあげるんだっ!
そしたら、みんなの前では
仕方ねぇなっ!って言うにのも、
2人だと素直に喜んでくれる…
「あいばちゃん、もっとこっち座って。」
「うん?」
「………ふぅ……」
「…ふふ……」
にのの頭の近くに寄ると、
にのは頭を俺の肩に乗せた。
軽く腕を回して、背中を撫でて
あげたらため息が出た。
これは間違いなく安心のため息…♪
嬉しそうに笑うにのの顔が想像出来た。
来て良かった。
やっぱり、今日はにのを
独りにしちゃいけなかった。
今日は、特別に相葉さんが
ぎゅうってして寝てあげるよ、にの♪
side:A End。