第1章 ふたり
「にの、打ち合わせ始まるって…」
「……ん、……ね、ちょっと…肩貸して」
「あっ…うん、これでいい?」
「ん、……っしょ!…ふぅ……」
「……………」
「…泣きそうな顔。あいばか。」
「…あっ、あいばかって言うなっ!!」
「んふふ…行こ?」
「…ふふ…!うん。歩ける?」
「うん、大丈夫。肩借りるね。」
「はいはぁい♪」
起きたにのは、いつも通りのにのだった。
あいばか。って、軽くでこピンされた。
これも不器用なにのの優しさ…!
――――――――――――――
「にのっ!今日終わり?」
「ん、終わり。…行かないよ?」
「まだなんも言ってないじゃん!!」
「俺は一刻も早く帰りたいの」
「えー…あ!じゃあ!!」
「来んなよ?」
「えぇ~…やだ。行くもん。独りでしょ?」
「そりゃ独りだけど……マジ…?」
「大真面目ですっ♪」
「……………」
なんかね…今、にのを独りに
したくなかった。だって…
なんか弱々しくて…強がりなにのは、
独りで壊れてしまいそうな気がした。
放ってなんかおけない…
――――――――
―――
「相葉ちゃんがご飯作ってあげるから横になって待ってて!!」
「…温めるだけじゃん…」
「なんか言った?!」
「…何も。」
にのの家にくっついて帰って来た。
にのは帰るなりソファーに横になった。
だから、俺は夕ご飯の準備!
…どうせ温めるだけだよ!!
聞こえてるよっ!!