第6章 泣き虫
数分後、
ガチャ…
翔「(大丈夫?)」
雅「(うんうん)」
翔「(寝た?)」
雅「(多分。みて?)」
翔「(ん、寝てる寝てる)」
智「(かわいー)」
潤「(ふはは!ばーか!)」
智「(かわいいじゃん)」
潤「(分かるけど!)」
静かに3人が戻ってきた。
小声で話し掛け、二宮の顔を
覗き込むと二宮は、泣き疲れ、
涙の跡を頬に残したまま
すやすやと眠っていた。
―――――――――――――
翔「わーっ!!」
智「あはは!翔くんへったくそ!!」
潤「ちょっと!にの起きるだろ!」
翔「ごめんごめん!だってこれ超ムズイ」
4人は二宮を起こさないように
一応、気をつけながら
Wii Partyを楽しんでいた。
智「(…わ、起きたぁ?♪)」
和「(…ふふ…うん)」
雅「あれ、和起きた?」
和「んぅ…」
雅「ふふ!和寝ちゃうからかくれんぼ終わっちゃったよ~!」
和「ん…」
相葉の後ろに回って二宮を見た大野。
目をぱちぱちさせた二宮と目が合った。
二宮はまた相葉の首筋に顔を
押し付けて、ぎゅーっと抱き着いた。
雅「和、ビーチフラッグやる?」
和「んーん…」
雅「ふふ、和甘えん坊~♪」
和「んぅー」
翔「…っうわー!!」
潤「わー!ははは!翔くんマジ下手!」
翔「おまえらイジメんなよ!俺を!!」
全員が、気にしていないような
素振りを見せ、普通に振る舞う。
だが、二宮には4人の気遣いが
ヒシヒシと伝わってくる。
「和、頭痛くない?大丈夫?」
「ん、だいじょうぶ」
「目まだ赤いね、目薬したら直るかな?」
「うん、」
「ん?」
「…ちゅっ」
「っ……ふふふ、かわい。」
「…まさきぃ…」
「んー、よしよし♪」
顔をあげ、相葉を目の前で
ジッと見た二宮は、相葉に
一瞬、ちゅっとキスをした。
そしてまたギュッと抱き着き
幸せそうに笑った。
特に悲しい出来事もなくとも
泣きたい気分になったり
泣くとすっきりしたりする。
うるうるとした目で
どこかもやもやした表情だった
二宮を見れば相葉にはお見通し。
でもそういう時は決して
一人では泣かせない。
安心する人の胸で。
安心する腕の中で。
うんと甘えさせてやりながら
なにも聞かず、なにも言わずに
泣かせてやるのが、相葉流。
End