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短編集 AN【気象系BL】

第7章 ヤキモチ




※NAっぽいですが、
 ANと思って読むことも出来ます←






その日、二宮は体調が優れなかった。


「無理すんな?」
「……。バレたか…」
「当たり前。テンション低すぎ」
「…ごめん」


収録中。

いつもはゲストの芸人さんに
突っ込みを入れたりしながら
トークの中心を担う二宮が
今日は大人しく口数も少ない。

そんな二宮を見ていて
メンバーが気付かない訳がない。

忙しくて楽屋では寝ていることも
不自然ではないために、
本番中に気付くことも少なくない。


そんなとき声をかけるのは松本。

他のメンバーになると、
ふざけて返されたり、
話を逸らされたりしてしまうからだ。



「にの?平気?」

「…うん、ごめん」


昼間放送していた時代から
ずっと一緒のスタッフさんは
メンバーの異変にも気付く。

上からマイクで指示を出すスタッフも
下でカンペを出すスタッフも
カメラマンもみんな、
言わなくても気付くのだ。



『セットチェンジでーす!!』


この番組収録は、
セットチェンジが数回あるため
ちょこちょこと休憩が出来る。


「ふぅ……ん゙…」
「にの、薬飲まなくて平気か?」
「ん…いい…」
「いいの?眠い?」
「んー…」

楽屋に戻ったメンバーたち。

二宮は隣に座った大野の肩に
頭を乗せて目を閉じてしまった。


メンバーもスタッフも、
周りはそっと、静かにしていた。

だが…ここには空気の
読めないやつもいる…。



「ああああああーーっ!!!!!!!」



「うるせぇな!ばかかお前!!」


「……………」



遅れて楽屋に入ってきた相葉。
二宮と大野の姿を見て
雄叫びのような、大声をあげた。

被せるように怒鳴りつけたのは
もちろん松本だ。


「うぅう…浮気ぃ……」

「はぁ…ちょっと、肩借りただけだろ…!?」

「うぅっ…和のばか!!ばかぁああ!!!」

「ちょっ…!もう…追いかける気力、ねぇっ、つーの……」

「…にの、俺行ってくるな?」
「…、ごめん…潤くん…」


二宮と相葉はメンバー公認の
恋人同士なのだ。

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