第20章 幸せの訪問
「あ、ちゃんとストーブ付けてんじゃん」
「ああ、ありがと。」
「俺が寒かったから出したの。」
「…あっそ。」
「ビール飲んでたの?」
「飲む?」
「うん、1本だけ」
「……はい。暖房のリモコン出しといたから」
「さんきゅ♪うん、分かった」
「俺寝るけど」
「…そんな寂しいこと言う?…ちゅ、」
「っん、……ふぅ…」
「寝ていいよ?運んであげる」
「…意味分かんない。」
ソファーに座る松本にビールを手渡し、
自分は寝室へ向かおうとすると
手を引かれ、抱き留められて
唇にキスを落とされる。
二宮は仕方なく松本の隣に座り、
肩に頭を預けて目を閉じた。
「ん…いいよ、歩く…」
「じっとしてろよ。落ちるよ?」
「……んー……んぅ…、っ」
「っ、……なぁに…付けてくれたの?」
「んー…あんま…付いてない…」
「え?もっと強く吸えよ、」
「ん…むり…ねむ……」
ふわっとした浮上感に、
二宮は目を覚ましたが
抱き上げてくれた松本の首に
素直にギュッと抱き着いた。
首筋に顔を埋め、薄ーく
キスマークを付けた。
「…ふふ…よいしょ、っと……じゃぁ…仕返し、」
「………んっ…あ……ハァ…」
ベッドに二宮をおろした松本は
そのまま二宮に覆いかぶさり、
首筋に舌を這わせ、ちゅうっと
強く吸い上げた。
「…かず…」
「んっ…」
「キスマークだけで…感じた?」
「んゃっ…寝込み、襲う、なっ…!」
「えー?お仕置きだよ」
「なんのっ…」
「仕事、ないなら言ってくれればいいのに。」
「…言わなくても来たくせに。」
「…かず忙しいから……会いたかったんだよ?寂しかったのに…」
「……ごめん。」
「かずは、会いたくなかった…?」
「んーん、…鍵開いたとき…飛び付きたいくらい嬉しかった。」
「…ふふ…素直でよろしい…♪」
「でも…寝たい。」
「ん。」
「ごめんね…?」
「いいよ。抱きしめていい?」
「うん…」
久しぶりに感じるお互いの温もり…
「…あ、ねぇ…ストーブいつ出したの?」
「え?…いつだっけ、先週?なんで?」
「…さっき気付いた。」
「マジかよ?!」
「………。」
End