第18章 呼び方
収録が終わり、次の仕事へ行く者。
のんびりしている者。
潤「…ね、」
和「んー?」
潤「……」
和「…なによ、」
潤「んーん…」
和「なに、どしたの?」
潤「んー…ドラマだよな?」
和「そうだよ」
潤「朝までコース?」
和「や、今日はそんなことないけど…まぁ、現場の状況による」
潤「あー…」
和「なんか用事?」
潤「いや…」
和「……帰らないの?松本さんは」
潤「…なんで…、あ。」
和「……」
潤「そういうことか」
和「……」
潤「…かわいいですね?」
和「なにが…」
潤「かず?家で待ってていい?ふふ」
和「…帰らないかもよ」
潤「ベッド借りますね」
和「…どーぞ」
翔「全くわかんねぇ」
雅「2人の世界なんだよ」
翔「ぁあ…」
松本は納得したような顔で
楽屋をあとにした。
二宮の家に向かったのだろう。
二宮もすぐに楽屋を出て
こちらはドラマ現場に直行だ。
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日付が変わって少したった頃…
「ただいま」
「おかえり~」
「ぅお」
「おつかれ、かずくん」
「起きてたの」
「もう寝そうだった」
「正直ですね」
「ふふ…」
松本は帰ってきた二宮に抱きついた。
甘えたな雰囲気で完全にオフの松本だ。
そんな松本に対しては二宮の方が
お兄さんの様な対応になる。
「風呂入ってくる」
「寝ちゃったらごめんね…?」
「んー、寝るならベッド行きな」
「ん~…やっぱ待ってる…」
「なんで、寝ていいよ」
「やだ…かずがかずなのに…」
「は?」
「かずが…今日はずっとにのだった…」
「…何言ってんの?」
「ばか!分かってるくせに…」
「…そうかな」
「…おれ、間違えた?」
「かもね?」
「でもね、にのだったの…」
「…現場のこと考えてたからかな、」
「んー…」
「ごめんね?完全に無意識だったから…寂しかった」
「んー…んー!かわいいっ」
「ふふ…」
「待ってるから、温まってきな?」
「ん。ほんとに、ここにいるなら寝ないでね」
「はぁい…かずーっ」
「なにー。じゅん」
「ふふ…すき」
「ん、…ありがと」
「にのも、すきだよ」
「ぅん。ありがとう」
呼ばれ方。
これひとつで人の心は
揺れ動くものだ。
かず。じゅん。
プライベートではそう呼んでほしい。
頑固な2人のこだわりだ。
お互い、そう呼んだ時
相手が幸せそうな笑顔を
向けてくれることを知っている。
END