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短編集 MN【気象系BL】

第15章 自己嫌悪 ★





「…ふぅ……」

いま、コンサートが終わって
楽屋に戻ってきたところ。

メンバーは風呂入ったり
ご飯食べたりしながら
ゆっくりしてる。

でも今日は…にのが疲れちゃった
みたいで。帰ってきてから
机に伏せてずっと動かない。
にのがこうなることは
本当にあんまりないんだけど。
基本、隠す子だから、
こうやってみんなの前で
態度に出るのは珍しい。

でもみんな、気を使って話しかけない。
ほっといて欲しいんだろうから。
本人も、周りもみんな分かってる。


まぁ、こういう時初めに
声をかける人は、にのなんだよなぁ。

にのが張本人の時は…

「かず、」
「……ん…」
「起きてる?」
「ん、」
「よいしょ…おいで」
「………」
「頑張った。頑張ったね。」
「…ゴホッ…コホコホ…」

松潤。
隣に座って背中をさすって、
体を起こさせると
自分にもたれかからせて
ギューって抱きしめて。
頭撫でてあげて、
背中さすってあげて。

にのも、松潤の肩に頭を乗せて
体の力を抜いて甘えてる。

「鍋食べない?」
「…ん、」
「部屋戻ってから食べる?」
「…ん、」
「ん。風呂も戻ってからでいい?」
「ん…」
「とりあえず、ジャージに着替えよ。帰れないよ」
「ん…」


ん、しか言わないにのだけど
松潤は全部わかってるみたい。

まぁ、2人はプライベートでも
いつも一緒にいる…
所謂恋人ですからね。
メンバーよりもさらに
よく知ってるんだろう。

表でたまにイチャイチャしてるけど
あれとは全然ちがうの。
表ではにのが下から下から
接してるけど、本当はちがう。
にのはもっと我が強い。
こんな仕事をしてるんだから
当たり前なんだけどね。

にのはパッと立ち上がると
ササッとジャージに着替えた。


「ねぇ、かえる」
「あっ…はい!」

静かなテンションのにの。
マネージャーも怯えるくらい
纏う空気が変わるんだ。

「…かず!ちゃんと食えよ」
「………」

松潤の声ににのは目線を少し向けて
手を軽くあげて楽屋を出て行った。


潤「ねえ、タッパーある?これ詰めて渡して」
マネ「はい!」

適当に鍋の具を取り分けた
マネージャーは走って楽屋を出て行った。


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