第12章 体調不良
潤「かず…!」
和「………」
その日松本が最初に見た二宮の顔は
半分以上がマスクに覆われて
残りの半分は帽子に隠れていた。
だが、自分の声に二宮は
軽く手をあげて反応してくれた。
隙間から見えた目は
ほんのり赤く…
肌は青白かった。
マネ「声かけるので寝ててください」
和「ん…」
マネ「すいません…ちょっと薬効いてくるまで時間もらってますので、スタート遅れます」
翔「分かった。……ねぇ、大丈夫だったの?」
マネ「はい、過労ですね…検査は大丈夫でした」
雅「良かった…」
バラエティー収録の前。
二宮付きのマネージャーから
病院に行くと連絡が入っていた。
軽く症状を聞いてはいたが
櫻井はこそっとマネージャーに確認した。
潤「…かず…」
和「…だいじょぅぶ。ごめんね…」
潤「んーん…」
松本は寝転がった二宮のそばに寄り
心配そうに頭を優しく撫でた。
和「……もぅちょっと…撫でて…」
潤「ん。」
二宮は、手を離して、
離れようとした松本の腕を掴んだ。
珍しい。
体調が悪くて楽屋で寝ていることは
あまり珍しいことではないが
こうして二宮が恋人の松本に
人前で甘えることはほぼなかった。
松本は不覚ながらも笑みを浮かべた。
翔「いつから調子悪いって?」
雅「吐き気だっけ…?」
マネ「もう3日目くらいらしくて…僕も全然知らなかったんですけど…。まぁ、よく寝てるなとは思ってたけど…」
智「頭痛と?」
マネ「吐き気と頭痛と耳鳴りですね…頭痛が酷いみたいです。」
翔「顔真っ白だな…」
雅「どうもないなら良かったけど…」
マネ「点滴してもらったんで、とりあえず治まると思います」
智「無理しないように…」
マネ「もちろんです」