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短編集 MN【気象系BL】

第1章 晩酌




ワインを2杯ずつだけ飲んで
ダブルベッドへ入った。


いつもなら何もないときは
ただ、並んで寝るだけなんだけど。

今日はなんとなく
抱きしめてやりたくなった。



「…頑張りすぎるなよ」
「………ん」




自然に顔が近づき、おやすみのキス。

今日のカズは素直だった。





――――――――――――


ピロピロリン…ピロピロリン……

「…んぁ………はい…」
『あ、おはようございます!!すみません!VSの前に取材入っちゃいまして…!!1本だけなんですけど』
「……ん、…何時…?」
『予定より2時間早く迎えに行きますんで、11時で!』
「…分かった、……あ、俺だけ?」
『はい!ドラマの取材です』
「ん…はぃ……じゃ」


朝、目を覚ますと、カズが
俺の隣に寝たまま、
背を向けて電話をしてた。

「…しごと……?」
「お。…起こした?ごめんね」
「んーん…いま何時……」
「んー…いま、9時」
「…時間、平気?」
「うん、11時に来るって」
「11時……まだ大丈夫じゃん…」
「うん。」
「んー……カズ…」
「…ふふっ、甘えん坊」
「…ん゛ー……」


カズをもう一度抱き寄せて
ぎゅーっと抱き締めた。

あったかい。

こんなゆっくりした朝は久しぶりだ。



眠い目をこすってカズを見ると
カズの表情はやわらかかった。

俺の存在は、カズの癒やしに
ちゃんとなってるのかな。
カズの笑顔を見て安心した俺は
二度目の眠りについた。





―――――――


そして次に起きたとき。
カズはもういなかった。


机には

『またあとでね。  かず

 PS.行ってきますのチューは
   勝手にもらいましたから♪』

と、走り書きしたメモが。

「あいつ!……ふふっ」


俺は珍しく、簡単に起き上がり
気持ちよく仕事現場へ向かった―――




End....
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