第33章 無題
side:M_3
「………」
雅「にの~そんなに落ち込むなって!」
翔「そうだよ、あれは誰でも倒したって」
智「そうそう。あれは仕方ない」
潤「……かず?大丈夫か?」
和「…ん?……」
特番の収録を終えた後の楽屋。
今日はほんとに調子が悪かったかずは
最後もミスしちゃって、俺らは負けた。
結構ダメージがデカイみたい。
ああ見えて繊細だからな…。
楽屋のソファーに座って
頭を抱え込んで俯いちゃった。
始まる前から、疲れてるのは知ってた。
カメラが回ると元気にやってたけどね。
だから、メンバーは口々に
かずを宥めてやるんだけど
反応がなくて…俺が名前を呼ぶと
やっと顔を上げて反応した。
けど、メンバーの言葉は全く
届いていなかった様子…
智「…にの~眠いんだよねぇ」
和「…ん……」
智「寝ちゃっていいよ?まだ楽屋大丈夫だし、俺らいるからさぁ」
リーダーが隣に座って横から
抱き寄せてやると、かずは
素直にリーダーに身体を預けた。
けど…
和「……ありがとう、リーダー」
智「もういいの?」
翔「まぁ…家でゆっくり寝た方がいいかもな。」
和「……そうだね…」
すぐに起き上がったかずは帰る用意を始めた。
翔くんの言う通り、家のベッドが一番いいけど…
「二宮くん、」
「…ん、ごめん、今行く」
「あ、良いよ。お腹空いてない?」
「うん、大丈夫。明日の朝の買っといて」
「はい。コーヒーは」
「ブラック」
「了解です。」
「明日の時間メールで送っといて。今覚えらんないや」
「はい。あ、監督から電話鳴ってたよ。車回してくるね」
「ん。……あ、二宮です、すみません出れなくて。…はい、いえいえ、全然。はい、あー多分、んー、はは、今から覚えますよ。はーい。…ふぅ……お先。お疲れさま」
「「「…お疲れさま~…」」」
「…………」
マネージャーが来て、
話をしながら帰る準備を終えたかずは
足早に帰って行った。
いや、多分まだ仕事なんだろう…
「今から撮影なのかな…」
「夜だもんな、ロケ…。あいついつ寝てんだ…?」
「大丈夫かな…。」
隙間ないスケジュール。
心配だけどどうしてやることも出来ない…
“あんま無理すんなよ。
心配だから。”
心配されるのが嫌いなかずに
敢えて、この文章を送った。
もちろん、返事はない。