第29章 お隣さん
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「ただいま~…」
夜中1時。
二宮が自宅に帰ったのは
日付が変わってからだった。
「かず!お帰り。お疲れ様」
「ただいま…ごめんね?遅くなって…」
「んーん。おいで?大変だったな…」
「んー?」
「…聞いたよ。1時間も押してたんだって…?」
「……ふふ…だから、言ったでしょ?パパッと撮ってサッと帰るって…」
「……調子、悪かったの?」
「ん?違うよー。俺が悪いんじゃないもん!俺今日NGなしだから♪」
「あ、そっか。ふふふ…お疲れ様~!」
「潤も、お疲れ様!」
「ありがとう♪あ、飯食った?」
「おこげ食べた。」
「そんだけ?お茶漬け食べる?」
「作ってくれるの?」
「うん、もちろん。風呂入って来な」
「ん♪」
ドラマの撮影を終えた松本は
真っ直ぐ二宮の家に帰ってきていた。
疲れて帰ってきた二宮を
松本は優しく呼び寄せ抱きしめた。
ソファーに座る松本の膝の上に
跨がって、甘える二宮。
おでこがくっつきそうな距離で
会話をする2人……
こんなにも甘い時間は久しぶりだ。
「あー…さっぱりしたー…!」
「出来てるよ!」
「ありがとうー♪潤明日早くないの?」
「ん、大丈夫。でももう寝るかな…」
「ごめんね、待たせて…」
「んー、じゃあ責任取ってもらうかな♪」
「なに…」
「俺がよく眠れる一番の方法は~?」
「……ふふ…先に寝てて。すぐ食べちゃうから」
「うん♪早くね~」
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ガチャ…
「潤?」
「…やっときたぁ…!」
「んふふ♪潤~!!」
「ぐぇっ!おまっ…飛び乗るなよ~!」
「んふふふ…早くぎゅってしてよ?」
「……わがまま~、な和が好き~ふふふ」
「ふふ…俺も甘えん坊な潤が好きっ♪」
お互いが隣にいることが…
抱きしめて眠ることが…
2人にとってこの上ない幸せ。
End