第3章 真央霊術院編
市丸に送られ真央霊術院に帰って来たゆうりは教室に戻る為廊下を歩いていた。
何やらいつも以上に視線を感じる。普段なら男ばかりから見られていたと思うが今は男女関係なく見られている気がする…。何かしただろうか?首を捻り歩いていると、前から歩いて来た担任の浅田がゆうりに向かい手を振った。
「おぉ、戻ってきたのか。怪我の具合はどうだ?」
「大丈夫です、すっかり治りました。」
「そりゃあ良かった。全く、院内ではお前の噂で持ち切りだよ。ヒュージホロウを1発でぶった切った6回生が居るってな。」
「…だからこんなに見られるんだ。」
ちらりと辺りへ視線を向けると目が合った生徒はパッと顔を逸らした。あからさまな態度にゆうりは溜息を吐く。
「そんでな…噂は院内だけじゃなくて、隊長格にも伝わってるんだよ。」
「はぁ…そうなんですか?」
「そーそー、これなんだと思う?」
浅田は懐から大量の紙の束を取り出した。どうやら封筒状になっているらしく、裏を返しながら包に書かれた名前を1人ずつ読み上げる。
「えーっと…三番隊隊長予定の市丸ギン、四番隊隊長の卯ノ花烈、五番隊隊長の藍染惣右介、六番隊隊長予定の朽木白哉、それから…。」
「ま、待って下さい!!なんですかそれ、何の封筒ですか?」
「まぁ聞けって。八番隊隊長の京楽春水、十番隊隊長の志波一心、十三番隊隊長の浮竹十四郎及び副隊長、志波海燕……これ全部推薦状な。」
「そ、そんなに…?」
ていうか、殆ど顔見知りなんですけどね…。ヒュージホロウを討伐した事がそこまで評価されるものなのだろうか。そしてこんな大事な話を廊下で堂々とされると他の生徒の目が更に不思議なものを見るような目に変わるのでは?
ゆうりの読みは正しく、浅田の話を聞いてしまった生徒達は余計ザワついた。彼はそんな事全く気に停めずゆうりの肩をばしばしと叩く。
「いやぁ、俺の受け持った生徒からこんな優秀な奴が出てきたのが嬉しくてなー。つい話しちまった。」
「私の事も考えてくださいよ先生…。」
「悪い悪い、んで…どうする?希望する隊は有るか?」
「四番隊です、卯ノ花隊長にも話してあります。」
「救護班か…まぁお前元々鬼道得意だったしな、いいんじゃねえ?隊長達には伝えとくよ。」
「よろしくお願いします!」