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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第3章 真央霊術院編



例えば別の任務で現世に居たとして、修兵が送った救援要請はまず尸魂界へいく。それから藍染さん達に伝達される。…それにしても、そう都合良く近場で別の任務に携わるだろうか。それに、いくらヒュージホロウといえど厳重に張ったはずの防壁が容易く破られる事があるの…?破壊したのが隊長、副隊長格だったのならば話は別だけど。
そこまで考えた所で嫌な汗が伝った。しかし、もしそうだったとして彼らになんのメリットが有るのかが分からない。

「…まだ顔色が悪いですね。」

「…いえ、大丈夫です。お世話になりました。私、卯ノ花さんみたいに回道を使えるようになりたいんです。卒業したら四番隊へ志望しますね!」

「ふふ、それは楽しみですね、待っていますよ。ゆうり。」

「ありがとうございました!」

ベッドから降り卯ノ花へ頭を下げる。外に出ると隊舎の場所や雰囲気は特に変わった様子は無かった。他の隊を見に行き現状を確認したかったが、そういう訳にもいかない。
とりあえずゆうりはそのままの足で五番隊へと向かった。真央霊術院の制服を着て歩く姿は護廷十三隊内では珍しいのか視線を感じる。特に声を掛けられるわけでも無かったので彼女は気にせず隊首室まで辿り着くなり、外から声をかけた。

「染谷です。藍染隊長はいらっしゃいますか?」

「あぁ、入って構わないよ。」

中から聞こえてきた返事にそっと襖を開ける。藍染は執務用の机に向かっており、近くの二人がけソファには市丸が座っていた。副隊長なのに、藍染より仕事をしなくていいのだろうか…そんな疑問を抱えながら部屋に入り襖を閉める。

「ちゃんと顔を合わせるのは久しぶりだね。そんな畏まらなくていいよ。怪我の調子はどうだい?」

「卯ノ花さ…隊長のお陰ですっかり良くなりました。助けて頂いてありがとうございます。」

「救援要請が届いたからな。間に合って良かったよ。」

「ゆうり、突っ立ってないでこっちおいでや。」

市丸はソファの空いたスペースをポンポンと叩く。ゆうりは少し迷ったが彼の言う通り歩み寄り浅く腰掛けた。
先程抱いた疑念を晴らしたい。そう思ってここまで来た。けれど彼らの顔を見たら聞くのを躊躇ってしまう。何となく本能が警笛を鳴らしている気がする。聞いてはならない、と。ゆうりは指を組むと、言葉を選びながら口を開いた。
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