第13章 破面編(前編)
「ふう〜〜〜〜〜…。」
「ンアーーー…。」
「いやァ、びっくりしたっスねぇ。…何スか今の技?見たことない技だ───…!!」
ドン!!と何かを殴る音と同時に浦原の発する言葉が再び途切れる。突然背後を襲った衝撃に言葉を詰まらせたのだ。
次に殴り掛かって来たのは、ヤミーだった。以前現世に現れた時、浦原にあしらわれた事を相当根に持っていたらしい。下へ落ちていく彼へ叩きつけた拳を掲げ、豪快に笑う。
「ぐはははははははははは!!!教えてやろうか!!今のは"虚弾"って言ってよ!自分の霊圧を固めて敵にぶつける技だ!威力は虚閃にゃ及ばねぇが…スピードは虚閃の20倍だ!」
そう言うとヤミーは上から浦原へ向け、虚弾を何度も力任せに撃ち続ける。辺りには轟音が鳴り響く。それでもゆうりは浦原の事を特に心配にはならないのは、彼の霊圧に変化が無いからだった。どうやらヤミーは霊圧探査が余り得意では無いらしい。それともそんな事すら気にする必要が無いほど、手応えでも有るのだろうか。
ヤミーはひたすらに虚弾を撃ち続けている間に、少し離れた場所からルピの声が聞こえて来た。それは今までのような余裕があるものではない。驚いているようだ。
「な…何だよ…これ…!?」
「…1度攻撃を加えた相手に対して気を抜きすぎなんだよお前は。"残心"て言葉知らねえのか?」
「お前…まだ生きてたのか…。」
そこに立っていたのは日番谷だった。1度地に落ちたと思われた彼の翼は元のとおりに戻っており、気が付いた頃にはルピの触手が半分、氷漬けになっている。
「氷輪丸は氷結系最強、砕かれても水さえあれば何度でも蘇るさ。」
「くそっ……!」
「止せ。もうお前に勝ち目はねぇ。仕込む時間は山ほどあった。お前は俺に時間を与え過ぎたんだ。お前の武器が8本の腕なら俺の武器はこの大気にある全ての水だ。」
「…な…」
「千年氷牢。」
「ルピ!!」
日番谷の周りに氷の柱が無数に聳える。言葉の通り、大気の水を氷に変え、その柱は全てルピへ放たれその姿を閉じ込めた。このまま次の一手を加えられては死んでしまう。
直感的にそう感じたゆうりは、反射的に声を上げる。宙を蹴り、閉じ込められた彼の元へ向かう。…破面が1人でも倒すのは良い事だ。尸魂界にとって、藍染の手駒を1つ減らせるのだから。頭では分かっている。
