第13章 破面編(前編)
「ボク寧ろ我慢した方やと思わんのん?ずーっとゆうりに触れたかったん我慢しててんよ。それにホラ、これが最後になるかもしれんしなぁ。」
「死なないって約束したでしょう。それに、私が絶対に死なせないから。」
「なら言い方変えたろか。ボクがキミに触れたいだけ。最後だろうとそうで無かろうと好きな子ぉとシたいって思うんは当然やろ。」
「……貴方、本当に狡い…ッ、ぁ…!」
耳元で囁かれた言葉に眉を下げ、無意識の内に手首を掴む手の力が緩むと彼は承諾と捉えたのか再度掌を上へと運び、ふくよかな胸に五指を埋めて優しく掴む。指先を肌着に差し込み小さな突起を指の腹でくるくると撫で付け数度軽く弾いてやれば、己の下で身体が小さく跳ね、艶やかな声と浅く途切れる吐息が劣情を誘う。与えられる快感に素直過ぎる程反応を示す彼女の愛らしさに思わず生唾を飲み込んだ。
「ゃっ……だめ…辞めて、ギン…!」
「…男を誘うのが上手やね。」
振り返った彼女は片手を市丸の腰にあて身体を押し返そうとするが、当然その程度で辞めるつもりなど毛頭ない。それどころか、潤んだ瞳と紅潮した頬に熱を煽られるだけだった。
彼は腹側に回していた腕に力を込めてゆうりの体躯を引き寄せる。すると、尻に硬く熱を帯びた塊が触れた。ソレが何なのか分からない程無知では無く、思わず双眸を見開いて腰を引こうとするが身体を捕らえた腕がそれを許さない。彼女が藻掻く様を見るなり市丸は薄く瞳を覗かせ、愉しそうに渇いた唇を舌舐り濡らす。それはまるで獲物を前にした蛇のようで、思わず背筋が震えた。
「あの、熱いの、当たってる…!」
「あらら、なんやと思う?」
とぼけた答えと共に腹に回されていた掌が下っていく。薄桃色の帯を潜り、下着の中へ差し込むと指先が秘所に触れた。嫌だと拒む言葉とは裏腹に、熱っぽい空間に毒されてかそこは既にしとどに濡れており、陰核から更に奥まった箇所へ伝わせれば淫猥な音がくちゅ、と鳴る。
それに気を良くしたのか市丸は口角を吊り上げ笑い、指の腹で陰核を細かく擦り胸に添えた手で突起を摘んで捻り、眼前の耳孔を舌で舐る。
突如与えられる強い刺激と、直接鼓膜を揺さぶられるような水音、吐息の甘さにゆうりの頭は次第にぼんやりとした心地の良い熱に支配され、視界が揺らぐ。