第13章 破面編(前編)
ワイワイと話しながら教室へ向かう最中、生徒の面々の視線が痛い。それもそのはず、木刀を差した男に、今にも制服のシャツのボタンが弾けそうな程巨乳の女、真っ赤な髪をした男と見た目が派手やかな彼らは余りにも目を引き過ぎる。
「しっかし窮屈な服だなァおい。」
「じゃあ僕達みたいにスソ出せばいいのに。」
「バカ言え!そんな事したら腰紐に木刀が差せねぇじゃねーか!!だいたいオメーらが真剣はダメだっつーから木刀でガマンしてやってんだぞ!?」
「僕らが言ってんじゃないの。法律が言ってんの。」
「イミわかんねーよ真剣がダメって!!どういう法律だよ!!」
「ウルセーぞオマエら!!騒ぎにしたくねえならまず静かに歩け!!」
「「へーーい。」」
「着いたわ、この教室よ。」
漸くたどり着いた教室の扉を開く。こちらに近づく霊圧を何となく察していたのか、一護は開く扉に視線をやった。
「おーーーす!元気か一護!」
「…れ…恋次!!一角!!弓親!!乱菊さん!!ゆうり!!冬獅郎!!」
「日番谷隊長だ!」
「オマエらなんでコッチに…!?」
「上の命令だよ。"破面との本格戦争に備えて現世に入り死神代行組と合流せよ"ってな!」
「アラン……って何だ?昨日ゆうりが話そうとしてたのもこの件か?」
「えぇ、そうよ。」
「オマエ相手が何者かも判らずに戦ってやがったのかよ!?」
「たわけ!貴様がこの間ボコボコにやられた連中のことだ!!」
教室に響く凛とした声に一護の目が見開いた。ここに居ない筈なのに聞こえて来た声。教室の窓に視線を移すと、窓枠に掛けられた手が肉体を引き上げる。そうして1人の女が窓枠に立った。
「…ルキア。」
「…久しぶりだな。一護!」
「お…おい…今窓から入って来たぞ…!?」
「何だあいつ…?」
「つーかあの赤髪とスキンは何だよ…?」
「おーい黒崎ー…ゆうりー…それみんなアンタの知り合い…?」
「…ル…ルキア…。」
教室のざわめき等お構い無しとばかりに一護は惚けた顔でルキアの姿を見詰め続ける。そんな彼と同様に、ルキアも笑みを浮かべて見下ろすと、徐に窓枠から飛び降り…渾身の飛び蹴りを一護の顔面目掛けて喰らわせた。
「えぶ!!!何しやがん…あ゛!?」