第13章 破面編(前編)
「いやだって、そういう負の部分引っ括めるか、上手く折り合い付けるかして付き合っていくモンやろ。オレだってオマエが思っとる程聞き分け良くないかもしれんし、付き合ったらもっとベッタリかもしれへんし。恋人になるっちゅーのは普段人に見せん所まで見せるのが当たり前とちゃうん?」
「付き合ってみたら本当はメンヘラヤンデレ女だったらどうするの?」
「何処で知ったん、そんな言葉!」
「現世の漫画。…で、どうするの?」
「…そらもう、病まんようにぎょうさん愛したるわ。」
「面倒臭い女だって思わない?」
「思うかもわからんなァ。けどそれ以上にオマエの良いところも可愛い所も知っとんねんオレは。母親がくれんかった愛情をオレがそっくりそのまま注いだる…なんて傲慢な事は言えんけど。オレはゆうりがどう変わろうと全部纏めて受け入れたる。せやからちゃんと考えたってや。
」
「…本当に貴方は私に甘いわね。」
「それだけオマエがえぇねん。」
平子は彼女の相貌に影を落とすと短く唇を重ねて満足そうにニンマリと笑みを浮かべた後漸く身体を起こし、ベッド脇の窓を開け片足を掛ける。今にも飛び出して行ってしまいそうな彼にゆうりは慌てて声を掛けた。
「学校行かないの?」
「一旦アジト戻るわ。昨晩アイツらに連絡しとらんしガヤガヤ言われんのめんどいしなァ。」
「そう…残念。ひよ里ちゃん達にもよろしくね。」
「おう、ほなまたな。」
そう言って平子は出て行く。ゆうりも身体を起こすと、この後来るであろう松本達と合流する為の準備を進めるのだった。
それから数時間後、現世に降りてきた日番谷、松本、斑目、綾瀬川、阿散井、朽木と合流を果たしたゆうりは彼らと共に学校へ向かう。
「アンタなんで1日先にこっちに向かってたのよ?」
「え?あぁ…んー…ちょっと人と会う約束があったんです。」
「……それ男でしょ。」
「何で分かるんですか弓親さん…!」
「うーん…匂い?」
「香水のせいかな…。」
「…オイ、くだらねぇ話で騒ぐな。」
「やだ、隊長。もしかして嫉妬ですか〜?」
「うるせぇ!!」
「……あれ、ルキアの奴どこいった?」
「さっきまで一緒に居たよね?」