第13章 破面編(前編)
肌着までずらし、膨らみを掌でやんわりと包めば、既に硬くなった突起が指先に触れる。
キスだけで感じとるんか。知らん間に随分やらしい身体になっとるやんけ。オレが最初に触れたかったのに、腹立つ。相手は誰や、市丸か…?
「真子が聞いてるじゃない…!」
「オレはえぇやろ。むしろ聞かせてや、なんなら録音したろか?」
「嫌…あッ!」
「こんなに尖らせて、期待してたん?」
「して、ない…!」
浅ましい嫉妬心からついつい意地の悪い言葉が口をつくと、ゆうりはそっぽを向いた。それでも赤く染まった耳が銀色の髪の隙間から覗いてて、ついついニヤけてしまう。可愛ぇなぁ。
唇を下へと降ろし、首筋まで辿り着くと鎖骨部をちろりと舐め、キツく吸い付いた。白い肌に映える真っ赤な鬱血痕。花弁を散らすように幾つも独占欲の印を付ける。噛み付かれた時の痛みとは異なり、甘やかな刺激に背筋が震える。
「これオレの所有物って証な。外で見せびらかしてもえぇんやで〜?」
「そんな真似するわけないでしょ、馬鹿…。」
「今の、馬鹿…。でちょっと興奮した。」
「マゾなの?」
「ちゃうわ!どっちかっつーとSやで。」
「変態…っんぁ!」
「変態はどっちなん?ゆうりはマゾやろ。」
ちょっと強めに突起を摘めばゆうりの身体は敏感に跳ねる。上擦った声が可愛らしくて、もっとオレで感じて欲しい。
平子は彼女の服の裾を掴み上に引き上げる。脱がせた上着をベッドの脇に落とすと、片手を背中側に回し下着の金具を器用に外した。
「もっと、気持ち良くして…真子…!」
「…何処で覚えて来とんねん、そんな台詞。」
ツンと先を尖らせるそこに短く息を吹き掛け唇で優しく包む。舌で擦り、甘く吸い上げ時折歯を立て引っ張る。その度ゆうりの口から漏れる喘ぎ声にどうしようもなく煽られた。
もっと乱したい、声が聞きたい、その声で自分を求めて欲しい。
「あんッ、ン、ンン‥!」
わざと水音を立て舌を這わせ、空いた方の胸は掌で優しく揉み解す。無意識なのか、逃げようとうねる腰を掴み引き寄せ片手で太ももを撫でた。決して中心には触れず、内腿を行ったり来たりと滑らせる。
「あっ…ねぇ…!」
「んー?どうしたん、ゆうり。」