第12章 五番隊隊長就任編
「…私も、これからも皆と生きたいと思うよ。だからちゃんと帰りを待っててね、阿近。」
「十二番隊に殆ど来ない癖に良く言うなァ?」
「い…ッ、行くよ!行くから!というか今日来たじゃない!」
「来たついでにここで寝てけよ。良いだろ、たまには。」
「…もしかしてだけど告白してちょっと吹っ切れてる?別に良いけど。」
阿近は身体を起こすと、既に敷かれていた布団に移動する。当然とばかりに隣をぽんと叩く辺り、もう1組準備するつもりは無いらしい。
ゆうりも身体を起こすと、示された場所へ素直に潜り込む。
「嫌がらないんだな。」
「一緒に寝るだけでしょ?」
「少しは警戒しろよ。」
「だって阿近、手を出すつもりないじゃない。」
「出していいなら出すけど。」
「鵯州さん達に聞かれるの嫌でしょ。」
「…可愛くねぇ。」
図星を突かれた彼はつまらなさそうに呟きながらも片腕を彼女の背に回し、引き寄せた。ゆうりの言う通り、行為中の声なんて絶対に外へ漏らしたくは無い。それを聞くのは自分だけでいい。
その想いが表出る様に抱き締める腕へ力が籠ると、ゆうりもおずおずと抱き着き返す。
「そういえば、現世で思い出した。お前、虫型の監視ロボット壊しただろ。」
「虫…あぁ、大虚が来た時のアレ?確かにジン太に壊して貰ったけど。だって私の事バレると思って。」
「作り直すの面倒だったんだぞ。二度と壊すなよ。」
「ごめん……って、あれ…?阿近、なんで私が壊した事知ってるの?」
「見てたから。」
「見てたの!?」
てっきり、自分が生きている事は誰にもバレず尸魂界へ向かったものだと思っていたのだが。まさか虫の映像を彼が見ていたとは思いもしなかった。それに、バレているのに何故、誰にも伝わっていなかったのかと疑問が浮かぶ。
「…私が生きてる事に気付いてたのに、総隊長へ報告しなかったの…?」
「お前、失踪する前俺に録音機作らせただろ。だから、何か理由があってそこに居ると思ったし、放っといた。」
「ほっといたって言われるとなんだか複雑な気分にさせられるけど、お陰で面倒な事にならなくて助かったわ。ありがとう阿近。」