• テキストサイズ

【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第12章 五番隊隊長就任編



「無茶はするなよ。それと、お前は向こうであまり1人で行動するな。」

「え、そんなに信用ない?」

「違う。……あの時と同じ気持ちになるのは御免なんだよ。」

あの時、その言葉が示すものが何なのかは直ぐに分かった。彼はずっと自分を信じ続けてくれた男なのだ。どれだけ心配を掛けたかすら分からない。確かにあの日、私は1人で飛び出して、そのまま消えてしまった。それがまた起こるのではないか、と今も懸念しているらしい。私、結構1人で何でもかんでもやろうとしてしまう癖が有るからなぁ…。
そんな事を思い、バツが悪そうに人差し指で頬を掻きながらゆうりの足が止まる。それに合わせて日番谷の足もピタリと止まった。彼女は彼の前に立つと自分より背丈の低い日番谷を抱き締める。
突然の事に少し驚いたが、近くに感じる彼女の温もりは本物で、どうにも離し難い。人の気も知らず簡単に抱き着いて来るゆうりに、男として些か悔しさを感じながらも両腕を背に回し、抱き返す。

「ゆうり?」

「あの時は本当にごめんなさい。信じてくれてありがとう。けど多分私はまた1人でフラフラすると思う。」

「…もう1発額にくれてやろうか?」

「辞めて、今度こそ割れちゃう!…フラフラしちゃうから、1人で勝手にどこかに行きそうになったら止めてね。」

「頼み事が餓鬼のソレだぞ。」

「私の腕の中にすっぽり収まっちゃう冬獅郎くんに言われたくは無いなぁ。」

「…言っておくが、俺は卍解したらお前の身長を越える。だから、そう遠くない未来俺はゆうりよりデカくなる筈だ。」

「え、冬獅郎の卍解って背が伸びる卍解なの?私より異質じゃない?」

「背が伸びるだけな訳ねェだろ!」

「ふふ、わかってるよ。身長が伸びた冬獅郎も早く見てみたいなぁ。」

ゆうりはそう言って日番谷の頭を軽くポンポンと叩き身体を離す。
それから2人は現世に出撃する為、それぞれの仕事を終わらせるべく隊舎に戻るのだった。

/ 648ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp