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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第12章 五番隊隊長就任編



「……そう、なんだ。蘭、ちょっと出て来てくれる?」

確かに、蘭にはそう言われた事がある。それは、ヴァストローデ級の破面が複数存在していたからなのだろうか。それとも、藍染の力があまりに暴力的で、敵わ無かったのだろうか。
ゆうりは胡蝶蘭に声を掛ける。…が、何も反応は無い。

「あれ…蘭?」

「珍しいっスねぇ、反応が無いとは。ご機嫌ナナメっスか?」

「うーん…今までこんな事なかったんだけど。出て来てくれないなら仕方ないか。喜助、私に出来る事はある?」

「戦争までにまだ時間は有りますからねぇ。今言える事はただ一つ。ひたすらに強くなりましょ!」

「尸魂界に行った時よりものすごく雑ね。」

「次は正真正銘、戦争ですから。ヴァストローデ級は普通の虚と違って人型っス。人との戦い方を、学んで下さい。」

「…化け物の姿をしていない相手と戦うのって、凄く複雑な気持ち…乗り気になれないなぁ…。」

「甘いこと言って足元すくわれたら元も子も無いんスよ!乗り気にならないならこのままここでボクと隠居します?」

「それとこれとは話は別!ちゃんと戦うし、藍染は絶対に止める。」

それだけ言うと、ゆうりは立ち上がった。義骸に身を移し、制服のスカートを直し、久方ぶりの鞄を手に取る。今は夕刻だ。今から行けば少しくらいは皆と顔を合わせることが出来るだろう…──そう思った直後。
ドン、とまるで頭の上に大きな鉛でも落とされたかの様な重い霊圧が現れた。肌を焼くような、息苦しくすらなりそうな酷く刺々しいそれにゆうりも浦原も双眸を開く。

「…想定より随分早いお出ましだ。」

「これが、ヴァストローデの霊圧…。」

「おそらくは。夜一サンも向かってますね。ゆうり、アナタも来て下さい。」

「当たり前よ!」

着たばかりの義骸を義魂丸で脱ぎ捨てたゆうりは、浦原と共に霊圧の元へ駆けた。途中、人型に戻った四楓院とも合流を果たすが道中目にしたおぞましい光景に絶句する。
辺り一体の魂魄が、まるで吸われているかのように巨大な霊圧の中心へ向かっていく。1人、また1人と道行く人間が倒れる。

「魂魄が無理矢理剥がされてる…!」

「いやぁ、これは流石にまずいっスねぇ…!ニュースどころの騒ぎじゃ無くなっちゃいますよ。」
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