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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第12章 五番隊隊長就任編



彼の唇が、チョコレートの厚さより大きく開きパクリと食らいつく。しかし食らったのはチョコレートだけでは無い。ゆうりの指ごと咥え込んだ。
指先が暖かい口内に包まれ彼女は固まる。檜佐木は流し目にゆうりを見遣りながら器用に舌を動かしチョコを掬い上げ奥歯まで持っていくと彼女の指より厚みのあるそれは、顎に軽く力を込めるだけで簡単に砕けた。中は空洞になっており、液状のソースがトロリと溢れ、指の隙間から流れ落ちていく液体が彼女の指先から伝っていく。

「よ、汚れちゃう…。」

「ん…。」

指から手のひら、腕と赤い液体が滑り落ちていく。白い肌によく映える。檜佐木は彼女の指にちゅう、っと軽く吸い付き唇を離し、片手を机について身を乗り出すなり腕を伝うソースを肘から手の先へ向かい舌腹でゆっくりと舐め上げた。時折甘やかに口付けられ、生暖かいものが薄い肌を這って行く感覚にゾクゾクと背筋が震える。
綺麗に舐め取った後、彼はゆうりの掌に鼻先を擦り寄せ視線を向けた。

「……なんて顔してんだお前。」

「しゅ、修兵が…!」

「俺がなんだよ。」

「う…その……。」

彼女はきっと自覚すらしていないだろう。自分の顔が、酒を飲んでいた時よりも赤い事を。そして、吐き出す呼気が浅く熱を孕んでいる事も。
檜佐木は生唾を飲み込み立ち上がり、ゆうりの隣に座った。ドキドキと心臓が高鳴る。好きで仕方ない女が今、目の前で、瞳を潤ませ自分を見ている。そう思うとどうしようもなく昂った。口付けたらどんな顔をするだろうか。このまま押し倒したら、彼女はどんな声で俺を求めるのだろうか。
考え出すとキリがない。

「ゆうり…。」

「あ……ま、待って…!」

手首を掴む方とは逆の手が背中に回され抱き寄せられる。耳元に唇が寄せられ、名前を囁く彼の声がやけに艶っぽい。吹き掛けられる吐息が熱くて火傷してしまいそう。
このままでは、流される。そう思ったゆうりは片手で彼の肩を押し返す。

「待てるかよ…嫌じゃないんだろ。」

「嫌じゃないけど明日は……、っん…!」

言葉を遮る為か、劣情に駆られてか、彼の唇が重なった。緊張からか、ぎこち無い動きで何度も角度を変えて啄む。それがあまりに可笑しくて、ゆうりは肩を震わせた。

「…何笑ってんだ。」
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