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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第12章 五番隊隊長就任編



「それで藍染隊…いや、藍染の部屋を使ってんだな。」

他愛無い話をしながら執務室より更に奥まった場所にある元藍染の部屋へ足を運ぶ。隊長代行である彼女が部屋の改装をする事は勿論可能ではあるがゆうり自身がそれを良しとはしなかった。仮初の隊長なんて、中途半端な役職である自分に五番隊を好き勝手変える資格はない。そう考えている。
隊長として与えられる仕事は確り遂行してはいるがそれ以上の事は一切手を付けていない。
元々藍染の性分からか部屋はとても綺麗に片付いており不要なものなどほとんど無い簡素な部屋だった。小さな机と座椅子…それ以外目立つものは無い。

「適当に座ってて。今お酒持ってくるから。」

「手伝うよ。1人より2人の方が早いだろ。」

「じゃあそこの机移動させてくれる?後押し入れに座布団あるからそれもよろしくね。あ、泊まってくなら布団2組出して。」

「泊ま…ッ、お前、俺の事信用し過ぎだろ。」

「でも修兵は人の同意無しに手は出さないでしょ。」

「そりゃあ…嫌がる事はしたくねェし…。」

「ふふ、別に修兵なら何されても嫌とは思わないけどね。それじゃ、お酒取ってくるね。」

柔らかく笑ったゆうりは部屋から出て行く。銀色の綺麗な髪を靡かせながら見えなくなっていく後ろ姿に彼は小さく唇を開いたまま固まった。

「…クソ、何だよ今の言葉……。」

何されても嫌じゃない、って。誘われてんのか…?何しても良いのか…!?いや、でもアイツの事だから深い意味は…でも……。
途端に襲って来る緊張と高い期待に表情を強ばらせ、早鐘を打つ心臓を鎮めようと言われた通り部屋の中央近くに机と、ソレを挟む様にして座椅子を用意した。布団を出すか迷いに迷う。このまま乗せられて良いのだろうか。そんな葛藤が続く内、酒の用意が出来たらしいゆうりが戻って来た。

「準備ありがとう。お酒とおつまみ持ってきたよ。」

「あ…あぁ。」

彼女の声に異常な程肩が飛び上がった。挙動不審に見える檜佐木にゆうりは目を丸めたが特に追及はせず、徳利とお猪口、そしておつまみを乗せたお盆を机に置き座布団に座った。彼も後から反対側で胡座をかいて座る。

「はい、そそぐから持って。」

「ん。」
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