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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第11章 尸魂界潜入編



「大袈裟よ。雨竜だって、涅隊長を負かせたでしょう?霊圧がビシビシ飛んで来たから分かったわ。それと似たようなものよ。」

「そっか…ゆうりちゃん、一緒に戻らないんだ…。」

「暫く職務が忙しくなりそうだから簡単には会えなくなるけれど、落ち着いたら必ず遊びに行くから。最後の別れじゃ無いんだし、そんな顔しないで織姫。」

しゅん、と眉を下げた井上を見てゆうりは笑い掛けた。これが今生の別れとなる訳では無い。しかし折角友となれたのに、会えなくなるというのは寂しいものだ。

「改めて皆にお礼とお詫びが言いたかったの。こんな死神達の諍いに巻き込んでしまってごめんなさい。それから、ルキアを救ってくれて本当にありがとう。短い時間だったけれど、学生として皆と過ごせて…凄く楽しかったわ。」

「辞めろよ、そんな事言われたらマジで二度と会えなくなりそうじゃねーか。」

「そ…そうだよっ!それにほら、あたし達もまた会いに来るからっ!」

「会いに行くって井上さん…どうやって行くつもりなんだい…?」

「え!?それは…浦原さんにもう一回門を開けてもらって……」

「またあの中を走るつもりなのか…?」

「やっぱり駄目かなぁ?じゃあ…えーっと…えーっと…!」

何か方法は無いかと探る様にワタワタと両手を動かす井上。それがとても微笑ましくその場に居る皆が笑った。
一頻り彼らとの談笑を終えるとゆうりは抱いていた四楓院をその場に降ろす。なんだか、皆の顔を見た途端力が湧いて来た。ただの人間の彼らが死神達と対等に渡り合い、そして生き延びた。そんな奇跡にも等しい光景を目の当たりにしたのだ。ずっと出来るはずのないと思っていた隊長の仕事を今なら引き受けられる気がする。

「皆がここまで頑張ってくれたんだから、私だってちゃんとしなきゃ駄目だよね。夜一さん、喜助に隊長代理を引き受ける事になったから暫く帰れそうにない事を伝えて貰っても良いですか?」

「無論じゃ。…ヤツの落ち込む姿が目に浮かぶわ。」

「ふふ、そうですね。でも、あの人は待っててくれるって約束してくれましたから。私はそろそろ自分の部屋に戻ります。明日はちゃんと見送りに行くわ。皆、しっかり休んでね。」
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