第11章 尸魂界潜入編
「あれ、ここで休まねぇのか?」
「ベッドの数足りないでしょ。それとも一護が一緒に寝てくれる?」
「な……ッ、そんな事言ってねぇ!」
「じゃあ一護と織姫が一緒に寝てくれてもいいよ。私は夜一さんと寝るから。」
「ゆうりちゃん…!」
「だから出来るか!!」
「冗談だよ。おやすみなさい、また明日ね。」
井上と一護は同じように顔を真っ赤に染めた。その反応がとても初々しくて面白くついからかってしまう。
用事を終え、ゆうりは彼らの部屋を出てそのままかつて自分の部屋だった場所へと向かった。数十年にも渡り放置されていた筈なのに、何故か出て行った時と殆ど変わらず、特に埃っぽい様子も無い。それがとても不思議だった。
「あ…真子から貰った香水もまだ残ってる。」
棚の上に置かれた香水をそっと手に取る。当然中身も減っておらず、キャップを外し手首に吹き掛けると懐かしい匂いがした。ここに残るということは、即ちヴァイザードである彼らにも暫く会えないという事だ。
ゆうりは手に持った香水の瓶を胸に抱く。
「…これからは貴方の代わりに私が五番隊を守るよ、真子。」
声に出す事で改めて決意を新たにした彼女は死覇装を脱ぎ去り、風呂で身体を清めた後己のベッドで深い眠りにつくのだった。
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