第3章 真央霊術院編
「修兵、ほたるちゃん、行こ!」
「うん!」
「おう。」
院を後にした3人は瀞霊廷の中にある街の中を歩いた。流魂街と比べて活気があり、歩いているのは殆ど死神の死覇装を着ている者ばかりだ。初めて訪れるゆうり達は物珍しそうにキョロキョロと見渡しながら歩く。
「いろんなお店あるね…あ、呉服屋さん!」
「行ってみよう!ゆうりちゃん!」
「お前ら走るなって!」
突然走り出したゆうりと蟹沢を追って檜佐木は呉服屋へと足を運ぶ。中は煌びやかな着物からシンプルなものまで色々置いてあった。彼女らは流魂街では見る事も出来なかった着物に目を奪われ、店内を見渡す。
「わぁ…あのピンクの着物すごく綺麗だよほたるちゃん!」
「本当だ!でもやっぱり柄物は高いね…。」
値札を見ては揃ってしょんぼりと肩を落とす。檜佐木は適当な寝間着用の着物を選び、彼女らの元へと戻った。
「お前ら今日は寝巻き買いに来たんだろ。死神になったら、着物なんて幾らでも買える。今は諦めろ。」
「うん、そうだね…修兵は紺色の寝巻きにするの?」
「あぁ。」
「私はこれにしようかな。」
「じゃあ私は黄色にしよっと。」
檜佐木は紺色、ゆうりは薄桃色、蟹沢は薄黄色とそれぞれ気に入った色の着物を選ぶ。各々支払いを終えて街に出ると、今度は近くにあった雑貨屋へ足を運んだ。
「私も綺麗な髪紐欲しかったんだよね。ゆうりちゃんはそれ何処で買ったの?凄く高そうだけど…。」
「これは借りてるの。だから私のじゃないんだよ。」
「誰に借りたんだ?つーか、髪紐って貸すもんなのか…?」
「えーっとね…死にたての頃、白哉って人から。」
「白哉……ってまさか朽木家の…?」
「あれ、ほたるちゃん知ってるの?」
「知ってるも何も、四大貴族だよ!?知らない人なんて居ないよ!!」
「瀞霊廷で知り合った貴族って、朽木家だったのか。顔広すぎだろ…。」
「……そんな凄い人だったんだ…。」
そんな会話をしながら蟹沢は赤いゴムに丸いプラスチックの玉が2つ付いた髪留めを購入した。檜佐木とゆうりは特に選ぶものもなく、雑貨屋を出る。
その後はお互い下着を、という事で合流場所を決めた後ゆうりと蟹沢、檜佐木で別れ各々の買い物を進めた。